2014年4月3日木曜日

米議会 GMの欠陥隠し疑惑で公聴会 (NHK)

NHK
米議会 GMの欠陥隠し疑惑で公聴会
4月2日 10時33分

アメリカ最大手の自動車メーカー、GM=ゼネラル・モーターズが、10年以上にわたって欠陥を知りながらリコールを行わなかったとされる問題は、議会で公聴会が開かれる事態に発展し、メアリー・バーラCEO=最高経営責任者は対応の遅れを認める一方、組織的な隠蔽については明言を避けました。

この問題は、GMが死亡事故につながった重大な部品の欠陥を10年以上前に知りながら、組織的にその事実を隠してリコールを行わなかったのではないかとして、アメリカ運輸省や議会が事実関係の確認を求めているものです。
国内最大手の自動車メーカーの信頼を揺るがしかねないこの問題は、1日、議会下院の公聴会で追及される事態に発展し、出席したGMのメアリー・バーラCEOは「本当に申し訳なく、心からおわび申し上げます」と謝罪しました。
そして、担当部署は少なくとも2002年には、問題の部品が社内の安全基準を満たしていないことを把握していたことを明らかにしました。
そのうえで、この問題が10年以上にわたって放置されていたことについては「会社として非常に残念なことだ」と述べ、対応の遅れを認めました。
その一方で、議員からは組織的な隠蔽ではないかという追及が相次ぎましたが、「私自身は去年の12月に初めて欠陥のことを知った。詳しいことは現在調査中で分からない」と述べるにとどまりました。
公聴会は2日も議会上院で開かれる予定で、GMに対する厳しい追及は当面続くことになります。

10年以上前から部品の欠陥把握
発端はGM=ゼネラル・モーターズが今年2月に実施したセダンタイプの乗用車160万台のリコールでした。
リコールの原因は、走行中にもかかわらず鍵が勝手にエンジンをかける前の状態に戻り、ハンドルやブレーキが効かないとか、衝突してもエアバッグが作動しないという苦情が多く寄せられたことでした。
リコールされた車には、いずれも欠陥のある同じ部品が使用されており、GMの調査ではこの欠陥が原因の事故で13人が死亡していたことが分かりました。
事態を重く見た運輸省は、詳細な調査をGM側に求めた結果、GMが10年以上前から問題となった部品の欠陥を把握しながら適切な対応を取っていなかったことが明らかになりました。
GMが先月、運輸省に提出した調査結果の報告書によりますと、GM内では2002年に社内の検査で、部品に欠陥があったことを担当部署が把握し、2005年と2006年には、社内でリコールするべきだという意見も挙がっていたということです。
しかし、実際にGMがリコールに踏み切ったのは今年に入ってからで、リコール隠しを組織的に行っていたのではないかという疑惑が浮上しています。
GMは外部の有識者も交えて調査するとしていますが、今後運輸省や議会などからの厳しい追及が予想されます。

遺族は会社側対応を非難
ワシントンでは1日、GM=ゼネラル・モーターズのリコール車による事故で家族を失ったと訴えている遺族らが会見を開き、「GMが欠陥を放置しなければ家族は亡くなることはなかった」と会社側の対応を厳しく非難しました。
1日、ワシントンで開かれた会見には、GMがリコールを届け出た車が起こした事故で家族が亡くなったと訴えている遺族10人余りと、この問題を調査している議会の関係者が出席しました。
このうち遺族の一人、ケン・ライマーさんは、2006年に娘が友達2人とGMの車で買い物に行く途中に起きた事故について説明し、「車のエンジンが急に停止したあと、ハンドルが動かなくなりブレーキもきかなくなって木に激突した。その際、エアバッグが開かず、娘は同乗していた友人1人とともに亡くなった」と述べました。
そのうえでライマーさんは、「GMは4年前に欠陥を見つけたあとも事実を隠し、車を売り続けていた。その時にきちんとした対応を取ってくれていれば、娘も友人も死なないですんだ」とGMの対応を非難しました。
また、2012年に21才の息子をGMの車による事故で亡くしたというシェリー・シャーキーさんは、「GMは、自分のやったことに責任を持たないといけない。息子の命を奪ったGMの車を道路から追放してほしい」と、息子と最後に撮影した写真を胸に訴えていました。
また、GMの問題を追及しているエドワード・マーキー上院議員は、「GMが事故の原因となった部品の修理のための2ドルを惜しんだために多くの人の命が奪われた」と述べ、会社の体質を厳しく追及していく姿勢を示しました。

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