New York Times の「日本の平和憲法」についての社説を訳しておきました。アメリカのリベラル派の安倍政権へのつよい懸念が表明されております。http://t.co/7mowhZlzTP
— 内田樹 (@levinassien) 2014, 5月 10
ブログ「内田樹の研究室」
2014.05.10
NewYork Times 「日本の平和憲法」
5月8日付けのNew York Times の社説Japan's Pacifist Constitution が、日本の民主制がいよいよ危機的状況に直面していると報じた。
改憲の動きにアメリカはこれまでもつよい警戒心と不快感を示してきたが、官邸はアメリカの反対をかわす意図で、「憲法をいじらずに解釈改憲で実質的に九条を空洞化する」戦術を選択した。
これまでのところ、ホワイトハウスは解釈改憲が専一的にアメリカの軍事戦略への協力をめざすものであるという説明を受け入れてきたが、ニューヨークタイムズに代表されるアメリカのリベラル派の世論は安倍内閣の「積極平和主義」路線がその本質においてアメリカの国是である民主主義そのものを否定するモメントを含んでいることを指摘している。
アメリカの政治理念を否定する政権がアメリカの戦略的パートナーであるということは、開発独裁や対露、対中戦略を見るとありうることである。
ニューヨークタイムズの懸念は理解できるが、「あの国は嫌いだけれど、利用できるなら利用する」というマキャベリズムをホワイトハウスはいずれ採用するだろう。その点、アメリカはドライである。
ただ、アメリカの知識階級から日本は「自ら進んで成熟した民主主義を捨てて、開発独裁国にカテゴリー変更しようとしている歴史上最初の国」とみなされつつあることは記憶しておいた方がいいだろう。
(以下略)
NYT The Opinion Pages | EDITORIAL
Japan’s Pacifist Constitution
By THE EDITORIAL BOARDMAY 8, 2014
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