戦争を知らざる宰相旱星（ひでりぼし） （神奈川県二宮町 村岡多加子） / 金曜日雨が降ろうがSEALDS（シールズ）はラップ調にて”憲法まもれ” （葛城市 林増穂） / 『朝日俳壇・歌壇』2015-07-27

ムクゲ　北の丸公園　2015-07-27

*
『朝日俳壇』2015-07-27より

憲法が散華してをる揚花火    　　 （いわき市）馬目空

過ちは繰り返します羽抜鶏　　　 　（三郷市）岡崎正宏

戦争を知らざる宰相旱星（ひでりぼし）　（神奈川県二宮町）村岡多加子

積極的従属主義や夏の陣　　   　（横浜市）大井みるく

七十年戦なき世の夏の空　　  　（山梨県市川三郷町）笠井彰

第三次世界大戦夕焼ける　　　 　（東京都）小笠原啓太

敗戦か終戦か八月十五日　　 　（高松市）島田章平

七夕の平仮名で書くへいわかな　　（上尾市）鈴木良二

風鈴に七十年を聴く夜かな　  　　（北九州市）武田晴行

国会はブルドーザーや真炎天　　（南砺市）畑真理子


『朝日歌壇』2015-07-27

金曜日雨が降ろうがSEALDS（シールズ）はラップ調にて”憲法まもれ”　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（葛城市）林増穂

「うちの子は戦死しました」と言いたくないだから私はプラカードを持つ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（豊橋市）赤石裕佳里

戦争をさせないデモへ行く夕べ君と食べてるカレーの平和　　　（東京都）白倉眞弓

見舞ふたび九十二歳の枕辺に山西省が読み止しのまま　　　　（行方市）額賀旭

竹槍を研ぎて突きたり標的の藁人形を繕いながら　　　　　　　　（所沢市）風谷螢

老い父の同窓生の名の横に戦死戦死と戦死が並ぶ　　　　　　　（ひたちなか市）猪狩直子

敗戦も知らずに逝きし父なりき逝きて七十年父なき戦後　　　　（行方市）鈴木節子

沖縄の基地を風刺の芸人をあざ笑うごと軍用機飛ぶ　　　　　　（半田市）依田良雄

迫り来る己が運命知らぬまま汚染の土地で牛は草食む　　　　（横浜市）田口二千陸

四年たちて自宅除梁の知らせくるみなし仮設に六月の雨　　　（会津若松市）植田辰年

蟇（ひきがえる）今年の半ばは過ぎにけりまたも延びたる廃炉工程　　　（福島市）青木崇郎

戦死せし叔父は未だに二十三戦争法案阻止に起つ我は喜寿　　　（向日市）松重幹雄

長き世を戦災人災くぐり抜け憲法解釈の時代となりぬ　　　　　　（福井市）甘蔗得子

一日に三百トンの汚染水溜りゆく日々果てしもあらず　　　　　　（福島市）美原凍子