【美術館】「特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。」今日からぽつぽつと、当時の雑誌の中から藤田嗣治の言葉を30回に分けてご紹介していきます。一部会場に掲出されているものも、そうでないものも。(企画担当者)
— 【公式】東京国立近代美術館 広報 (@MOMAT60th) 2015, 9月 29
(ツイートの文字部分)藤田の言葉①「他人は他人、自分は自分主義にて一切難しき規則は放棄いたし居り候。すべて独断に自由にいたし居り候。 早々 巴里 藤田嗣治」「諸家のパレット」『アトリエ』1927年3月より。
藤田の言葉②「モデルは自分の前に置いて興味を牽いた所から描き出す。自分は画布に向つて始めて引いた線を、非常に尊重する。」
「之は自分とモデルとの融合した時、創作されたもので、二度三度書き更めると今迄習得した教育、或は自分の尊敬してゐる画家の影響を受けるものだからである。」
「最初の線が誤つてゐることが分つても訂正ない事にしてゐる。この誤りは昔の規則に比準して誤つてゐるのであつて、書いた時の時間には誤りはないのだ。」「生活断片」『美之國』1929年11月より。
藤田の言葉⑤「一言附加へたいことは藝術家に対して一般が、もう少し之を重要視し、尊敬を払つて欲しいと思ふことである。」
「お上の役人方には、藝術家に対する待遇を改善する様に期待したいのである。美術こそ外国につき出して行く最もよき外交官ではないか。」「日本の美術界に希望す」『アトリエ』1934年2月より。
藤田の言葉⑦「入選しても喜ばず、落選しても泣かず、ほめられても喜ばず、けなされても怒らぬだけの心掛けが一番肝要である。」
「僕なぞも色々悪口をたたかれるがちつとも気にしない。アトリエにこもつて夢中で絵を描いてゐる間だけが自分の本当の生活だと思つてゐる。」「批評スクラツプ」『アトリエ』1934年11月より。
藤田の言葉⑨「Q 現在の美術批評に就て何ういふ御不満をお持ちでせうか」「A 作品に対しての批評望ましく個人の内生活等のスツパヌキの様な事は、何うでもいいのではありませんか」
「Q 如何なる美術批評を希望されますか」「A 恐れずにどんどん批評をする事、モンパルナス等にては批評家と画家との間に随分なぐり合ひもあるではありませんか」『アトリエ』1935年9月より。
藤田の言葉⑪「洋画の方も大分日本精神と云ふことを、やかましく言ふやうになつて来て、シユルレアリズムとか、詰り不可解な画を割合取締まるやうな方針らしいですね。」
「不可解と云ふのは要するに人心を惑はすと云ふやうな意味合…それから人間に希望がないとか何とか云ふことを破壊と云ふやうな意味に取つて、又群像なんかは集団と云ふやうな解釈から取締るとか」
「…だから、眼で見て自然らしく、不可解な所のない、見て解るものなら歓迎して居るらしいですね。」「藤田嗣治氏囲む女流作家座談会」『アトリエ』1938年4月より。
藤田の言葉⑭「実際の戦争を客観的にみると例へば軍服のボタンが外れてゐるとか、首筋に汗をかいてゐるとか色々のデイテールがある。しかしそれは戦争中は誰も感じないものだ。」
「戦争画にはさういふ主観を含めての客觀描写が必要だね。戦争画の画面はきれいではあり得ない。今までのはきれいに描き過ぎてるね。僕は主観によつて誇張していいと思ふ。」
「海が対照的にきれいだとか、波の色が鉛のやうに鈍く光るとか、縦横無尽に主観を混へて描きまくるべきだ。」「戦争画の真実とは?―現地で語る戦争画問題―」『旬刊美術新報』1942年5月より。
藤田の言葉⑰「昭南島にゐて、戦史に不滅の戦果を打ちたてたブキテマの攻略戦を描いたが幸ひに同攻略戦に参加した部隊長や将兵が澤山ゐてくれたので、こまかい武勇談などまできくことが出来た。」
「当時のままの血に濡れた服装で幸いポーズも厭はずモデルになつてくれた。そしてどうかいい絵をお画き下さいと熱心に云はれたので、僕もすつかり感激して連日ぶつ通して休まず描きまくつた。」
「僕はこれまで中南北支で今迄たびたび戦争画を描いたが、本當に凄惨な場面にぶつかつたのは今度が一番切実だつた。ゴム林の中などに入ると半紙大の大きな蝶が」
「フワリフワリと無数に英兵の骸骨のあたりから飛んで来るといつた不気味なことが多かつた。」「南方戦線の感激を山口蓬春藤田嗣治両氏の消息に聴く」『旬刊美術新報』1942年7月より。
藤田の言葉21「画面のどの部分を切り取つても絵画的の作品の美しさは失はせたくない。譬へ一枚の作品が空襲を受けた場合に、其の五分の一が残つても、十分の一が残つても
「其の画の全体が窺はれる様なマチエールの堅固さとか、色彩の良質さとかいふものを窺はれる様に注意して居る。」
「細部に亘つて正確、写実に何の誤りもなく、又大まかに見てもいい画が描きたいと、つまり寄近つて見ても、遠く離れて見てもいい画が描きたい。」
「一般の人々にも感銘を与へ、又藝術家が見ても納得の行く技術を其処に現したい。」
「私は雲間を洩る月の光とか、靄とか稲妻とか、スコールとか、風とかいふものを多く採り入れて、戦闘に更に一種の雰囲気を増さしめて居る。」
「或る戦争画の傑出せる作品は絵画の史上に於ての傑作であり得るのである。」「戦争画制作の要点」『美術』1944年5月より。
藤田の言葉27「機上から戦闘も観測した。砲火の発射、又は砲弾の着陸点の炸裂などが、音響なくして見えた事なども奇妙な印象を与へた。」
「又は模擬空中戦に参加して、他の飛行機の襲撃を受ける刹那の切迫感など、身を縮めても居耐れぬ程の圧感を感じたこともあつた。」
「地上から見上げた飛行機と、機上に居て飛行機の編隊を見る時とは、全く其の趣きを異にして居て、飛行機を画にする場合などは」
「飛行機に搭乗する機会の多ければ多い程実感を捉へ得る事が出来て、写実とか、ただ地上の飛行機の写生では、この宇宙の空中戰などは描き現はすことは出来ない様に思はれる。」「空の壮大感」『美術』1944年9月より。
【美術館】「特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。」カタログのひみつ2:図版の大きさだけではなく、綴じの部分が開きやすいところもこのカタログのポイント。デザインは大溝裕さん(Glanz)。こんなに贅沢な仕様なのに、価格はお手頃な800円。数に限りがありますのでお早めにお求めください!
— 【公式】東京国立近代美術館 広報 (@MOMAT60th) 2015, 9月 27
[映画ニュース] 藤田嗣治展が開催 映画「FOUJITA」藤田の絵画が登場する場面写真を入手 http://t.co/qh18FmXbT0 #映画 #eiga pic.twitter.com/DhSlUewwLT
— 映画.com (@eigacom) 2015, 9月 29
[映画]オダギリジョーのフランス語や竹内結子のダークな演技力に脱帽!:コンペティション部門三者三様の邦画3作【第28回東京国際映画祭】 http://t.co/eOODpbbGO7 pic.twitter.com/Oxd6jmWSAG
— シネマトゥデイ (@cinematoday) 2015, 10月 8
【美術館】「特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。」より「フジタは細部が勝負」:最初の部屋を飾る《自画像》。乳白色の画肌、墨の線描が存分に楽しめる。見どころは何と言っても細部。シャツの縫い目、ボタン穴、面相筆の毛、硯が墨に濡れた所…ぜひかぶりつきで(企画担当者)
— 【公式】東京国立近代美術館 広報 (@MOMAT60th) 2015, 10月 17
【美術館】「特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。」より「フジタは細部が勝負」:第3室の《五人の裸婦》。背景に垂れた布は花模様が白く抜かれ、ろうけつ染めのよう。床板は墨を掃くようにして木目を表現。どちらも藤田独自の不思議な技法です(企画担当者)
— 【公式】東京国立近代美術館 広報 (@MOMAT60th) 2015, 10月 18
【美術館】「特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。」より「フジタは細部が勝負」:日中戦争時の戦争画《武漢進撃》。画面左下には「ハヤブサ、カササギ、ヒヨドリ…」と軍艦の名が。「昭和拾参年拾月廿六日午後三時十五分」と、この情景の正確な日時を示す書込みも(企画担当者)
— 【公式】東京国立近代美術館 広報 (@MOMAT60th) 2015, 10月 20
【美術館】「特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。」より「フジタは細部が勝負」:《シンガポール最後の日(ブキテマ高地)》。手前にアップの兵士を、遠景に壮大な風景を対比的に描く。遠景部分には蟻のような兵士、戦車、戦闘機などが克明に描写されています(企画担当者)
— 【公式】東京国立近代美術館 広報 (@MOMAT60th) 2015, 10月 21
【美術館】「特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。」より「フジタは細部が勝負」:戦争画の代表作《アッツ島玉砕》。画面下部中央、逆さに倒れたアメリカ兵のなきがらを囲むように、小さな花がいくつか描かれています。アッツ桜という植物だそう(企画担当者)
— 【公式】東京国立近代美術館 広報 (@MOMAT60th) 2015, 10月 22
【美術館】「特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。」より「フジタは細部が勝負」:戦争画の代表作《アッツ島玉砕》。画面の右3分の1あたり、アメリカ兵のヘルメットに「ミシガン、ドリス」の文字が。所属と名前でしょうか。匿名ではなく一人の人間としての兵士です(企画担当者)
— 【公式】東京国立近代美術館 広報 (@MOMAT60th) 2015, 10月 23
【美術館】「特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。」より「フジタは細部が勝負」:《神兵の救出到る》。舞台はインドネシア、荒らされたヨーロッパ人の邸宅。鏡台に並ぶ化粧品、洋酒の瓶、汽車のおもちゃで、ここにいた家族の構成がわかります。テーブルの下には、あっ、猫が(企画担当者)
— 【公式】東京国立近代美術館 広報 (@MOMAT60th) 2015, 10月 24
関連記事
藤田嗣治 『アッツ島玉砕』 国立近代美術館(常設展示 「誰がために戦う?」) : 「「戦争記録画」を単なる戦争賛美画ではなく,戦争の悲惨さを表現した戦争画であると見直す動きが出てきた。しかし,総力戦であった大東亜戦争・アジア太平洋戦争を一副の絵で表現するのは困難で,画家の戦争観の影響した主題が問題となると思われる。」
藤田嗣治 『哈爾哈河畔之戦闘』 (はるはかはんのせんとう) 国立近代美術館の常設展 ~9月13日 : 荻洲(制作依頼者、荻洲立兵中将)の手元に、別ヴァージョンの<哈爾哈河畔之戦闘>があったという証言が残されています。
今東京国立近代美術館で並べて展示されている藤田嗣治の「サイパン島同胞臣節を完うす」はもっと怖い絵。兵士だけでなく女性や子どもも集団自決する様がまざまざと…
東京 国立近代美術館特別展(~9月13日) 藤田嗣治「自画像」 ゴヤ「気まぐれ」 岸田劉生「麗子肖像(麗子五歳之像)」 ピカソ「裸婦」 など / 常設展でケーテ・コルヴィッツ「農民戦争」7点全点を揃えた 2015-09-11
オダギリジョー、日仏合作映画で初欧州 (日刊スポーツ) : オダギリジョーが、日仏合作映画「FOUJITA」(小栗康平監督、来年秋公開予定)に主演することが分かった。1910年代後半からフランスで活躍した画家、藤田嗣治を題材にした作品。
東京 国立近代美術館 MOMATコレクション特集『藤田嗣治、全所蔵品作品展示』(~12月13日)
(NAVERまとめ) 藤田嗣治 / Léonard Foujita 作品まとめ / オダギリジョーが映画で演じることで話題の画家「藤田嗣治」とは
0 件のコメント:
コメントを投稿