統計不正が続く最中の首相演説。「児童扶養手当の増額、給付型奨学金の創設を進める中でひとり親家庭の大学進学率は24%から42%に上昇した」の一節を検証するコラム。「統計もどきでデータをねじ曲げればどんな結果でもひねり出せる」実態を浮き彫りにしていて面白い。https://t.co/84MV3npNE0— 鮫島浩 (@SamejimaH) 2019年2月3日
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首相は施政方針演説で、統計数字をいくつも登場させた。例えば、「新三本の矢」の成果として「児童扶養手当の増額、給付型奨学金の創設を進める中で、ひとり親家庭の大学進学率は24%から42%に上昇した」。早速、厚労省にこの数字を取材してみた。
データは5年ごとに実施している「全国ひとり親世帯等調査」の2011年と16年の比較。ただ、同省ホームページ掲載の調査結果でも「進学率」データが見当たらない。担当に確認すると、調査自体は約4千世帯対象だが、「進学率」算出元のサンプル数は260弱で、統計的意味が薄い「アンケート」だという。
しかも調査時点では「給付型奨学金」は支給もされていない。「扶養手当増額」も調査の3カ月前に始まったばかり。これらが進学率を押し上げたとは、とても言えない。
統計もどきでデータをねじ曲げれば、どんな結果でもひねり出せる。都合のよい数字が一人歩きし、人を欺ける。統計はそんな道具ではない。
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