2015年2月11日水曜日

規制委検討会「凍土遮水壁は不要」 汚染水対策、抜本見直しも (産経新聞) : 凍土壁は「汚染水の抜本的な抑制策」として、政府が平成25年9月に国費約320億円の投入を決定。規制委は「着工そのものを妨げる要素はない」と消極的な見解で、昨年5月に山側だけ工事を容認し、東電は翌月に着工したが、凍結自体の認可は保留していた。

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規制委検討会「凍土遮水壁は不要」 汚染水対策、抜本見直しも
産経新聞 2月10日(火)7時55分配信

 東京電力福島第1原発の汚染水問題で、原子力規制委員会の監視検討会は9日、会合を開き、建屋周辺の井戸「サブドレン」から地下水をくみ上げる手法が成功すれば、地中の土壌を凍らせる「凍土遮水壁(とうどしゃすいへき)」は、不要との見解を示した。凍土壁は「国策」として進められ、3月にも凍結開始を目指していたが、規制委検討会の方針転換で、汚染水対策は抜本的な見直しを迫られる。(原子力取材班)

 第1原発では、山側から1日数百トンの地下水が原子炉建屋に流れ込み、汚染水となってタンクにためられている。このため、地中に一定間隔で凍結管を打ち込み、1~4号機の建屋を囲むように総延長1500メートルの凍土壁を設置する工事が進んでいる。

 しかし、この日の規制委の検討会で、サブドレンの効果が期待できることや、海側には海水の流入を防ぐフェンスもあることから、凍土壁の不要論が続出。規制委の更田(ふけた)豊志委員長代理は「(凍土壁の作業は)被曝(ひばく)の危険があり、払った努力に見合うだけの効果があるのか」と、凍土壁の見直しを要求した。

 規制委は来月にも再び検討会を開き、凍土壁を運用させるかどうかの議論を続ける。東電が凍土壁が有効との説得力のあるデータを示さなければ、凍土壁の断念を迫る方針だ。

 凍土壁は「汚染水の抜本的な抑制策」として、政府が平成25年9月に国費約320億円の投入を決定。規制委は「着工そのものを妨げる要素はない」と消極的な見解で、昨年5月に山側だけ工事を容認し、東電は翌月に着工したが、凍結自体の認可は保留していた。

 凍土壁をめぐっては、世界にも前例のない大規模な工事であるため、「本当に凍るのか」「冷媒が漏れ出る心配はないのか」など有識者から懸念の声が出ていた。

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