2019年1月6日日曜日

戦争の影響で食糧がなくなるのではない。食糧がなくなることが戦争なのだ。(斎藤美奈子) (鷲田清一「折々のことば」朝日新聞2019-01-04)

戦争の影響で食糧がなくなるのではない。食糧がなくなることが戦争なのだ。
斎藤美奈子

終戦の前後の食糧事情は凄(すさ)まじかった。
生き残るには、普段なら給対口にしないものを食べるほかなかった。
国民あげての総力戦を一言でいえば「寝不足で重労働で飯がない」。
戦闘は戦争のほんの一部、戦争の大部分は「物資の調達、運搬、分配」という「お役所仕事」にあった。
そこを日本政府と旧日本軍は「甘く見ていた」と文芸評論家は言う。
『戦下のレシピ』(文庫版)から。

(鷲田清一「折々のことば」朝日新聞2019-01-04)


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