2013年6月20日木曜日

渡辺美樹理事長の学校法人(郁文館) 生徒に反省文100枚書かせるなどして退学者続出(週刊文春WEB) 「ブラック企業」学校版 教員大量退職…「不満なら辞めろ」


週刊文春WEB
渡辺美樹理事長の学校法人
生徒に反省文100枚書かせる
などして退学者続出
2013.06.19 18:00

 今夏の参院選に自民党公認で出馬する渡辺美樹・ワタミ会長が理事長を務める学校法人「郁文館夢学園」で、生徒に反省文100枚を書かせるなどして、退学者が相次いでいることが週刊文春の取材でわかった。

 渡辺氏は2003年、破綻寸前だった郁文館高校・中学の経営再建に名乗りをあげ、理事長に就任。渡辺氏は、「私たちの学校経営は先生が生徒のために死ねる経営です。その経営についてこられない人はどうぞやめてください」と全教職員に話し、教員に携帯電話番号を生徒に教えさせ、「365日24時間電話していい」と伝えるよう求めた。また、給料削減を実施するなどした結果、2003年から2年間で100人弱の教員のうち30人が退職した。

 問題を起こした生徒に対しては、400字詰め原稿用紙100枚の反省文を書かせ、提出するまでは授業を受けさせないなどのペナルティを与え、反省文を書きたくなくて転校する生徒もいたという。今年3月に郁文館中学を卒業した生徒によれば、一学年約160人のうち10人以上が退学している。

 郁文館は次のように回答した。

「(2年で30名の教師が退職したのは)事実です。(今年卒業した中学生で)転退学したのは14名です。(100枚の反省文を書かせるのは)二度と同じ過ちを繰り返さないという気持ちになってもらいたいと考えているからです」

 渡辺氏にも取材を申し込んだが、回答はなかった。

 渡辺氏は自著で、<つぶれそうな学校をさらに引き受けて、夢教育を導入し、「夢教育学校連合」を日本全国につくる事業に私は邁進する>(『教育崩壊』)と宣言しており、国会議員に当選後、どのような教育政策を推進していくのか注目される。

文「週刊文春」編集部

ビジネスジャーナル
週刊誌早読み 6月20日発売(6月27日号)
ワタミ会長、ブラック&“斬新な”学校経営で教員大量退職…「不満なら辞めろ」

 本日(6月20日)発売の「週刊文春」(文藝春秋/6月27日号)が、かねてよりブラック企業との呼び声が高いワタミについて、みたび追及している。

 ワタミといえば、作家や弁護士、大学教授が主催する「ブラック企業大賞2012」であの東京電力を抑え見事1位を獲得するなど、そのブラックな噂は周知のとおり。

 文春では、先週、先々週号とワタミの特集を組んでいる。6月13日号では「自民党参院候補 ワタミ渡邉美樹会長は“Mr.ブラック企業”これだけの根拠」と題し、ワタミのブラック度を追及。記事によれば、ワタミグループでは全社員に『理念集』という冊子が渡され、その中には「365日24時間働け」「出来ないと言わない」などの言葉が掲載され、勤務時間について「『成し遂げる』ことが『仕事の終わり』であり『所定時間働く』ことが『仕事の終わり』ではない」と勤務時間に捉われることなく仕事をしろと書かれているという。

 さらに勤務中の休憩時間について「12時間のうち、飯を食える店長は2流だと思っている」と渡邉氏が発言したともいう。それを裏付けるかのように記事では元社員が「勤務時間は夕方から明け方まで12時間以上なのに休憩はとれても30分」と告白している。

 この文春の記事に対し、渡辺氏は6月6日のツイッターで「本日の一部週刊誌記事は、明確に事実と異なる点があり、弁護士を通じて対応いたします。尚、今後も事実に基づかない記事掲載等には、毅然とした対応をして参る所存です」と提訴も辞さない姿勢を示した。

 また、記事が出る約1週間前の今年5月31日の渡邉氏の公式サイトには「ブラック企業と呼ばれることについて」と題した記事を掲載。ワタミの外食事業の離職率、年収、時間外労働時間、メンタルヘルスの不調について各種統計を見ても同業他社を下回っていると主張している。

 ちなみに、ワタミには外食店舗のアルバイト採用に関する問い合わせセンターがある。36歳の筆者でもアルバイトできるか聞いたところ「受付の段階では年齢制限は設けていません。アルバイトには学生が多いですが、36歳でも極端な差はないのではないでしょうか」とまずは年齢はOKだった。しかし、文春で報じられているように休憩時間が取れないということはないか不安だと話すと、「6時間勤務で45分、8時間勤務で1時間しっかり取れます。私は正社員ですが、きちんと休憩時間を取っています」とのことだった。

●介護も教育も「ワタミ式」で問題続出 !?

 続く6月20日号の文春では、ワタミのグループ会社「ワタミの介護」が運営する施設で事件や事故が続出していると報じている。記事によれば、昨年2月板橋区のレストヴィラ赤塚に入居していた当時74歳の女性が入浴中に溺死したが、当初ワタミ側は遺族に病死の可能性が高いと報告していた。しかし、警察の捜査や司法解剖の結果、溺死と判明したという。また神奈川県川崎市のレストヴィラ元住吉に入居していた当時87歳の男性は床ずれが悪化し、敗血症になるまで放置され、その後入院したが5日後に死亡したという。

 入院直後、男性の家族がワタミ本社を訪れ、渡邉氏や清水邦晃・ワタミの介護社長と面会した際に、渡邉氏が「1億欲しいのか」と言い放ったという。他の施設でも事故が起こっており、入居者の家族は「スタッフの人数が少ない」と口を揃えているという。

 そして追及第三弾となる今週の文春では、「“ブラックすぎる”学校経営」という特集を組んでいる。2003年に渡辺氏は郁文館(現・郁文館夢学園)の理事長に就任。元教員は「渡辺さんが来てからの5年間で私の給料は3分の2に減りました」と告白。また、03年度には教職員のボーナスを6カ月から4カ月にカットしたという。渡邉氏は「教員の給与はワタミの社員と比べ高い。不満ならどうぞ辞めてください」と言い放ったという。

 結果、ベテラン教員が辞め、月給の安い講師を採用せざるを得ないとのこと。これについて「人件費を抑えて採算をとるというのが、渡邉流なのですが、これを教育分野にも導入したのです」と経済ジャーナリストが指摘している。

 さらに第1弾で登場した『理念集』に記されているという「365日24時間働け」と同じく、著書で渡辺氏は教員に対し「プライベートな時間はなく、子どものために24時間365日、全身全霊捧げます」と求め、郁文館では教師の携帯電話番号を生徒に教え「365日24時間電話していい」と伝えているという。こうした熱血指導の甲斐あってか、渡辺氏が理事長に就任した03年3月から2年で教員が30人辞め、今年3月に中学を卒業した学年では、3年間で14名の生徒が転退学したという。06年、第1次安倍内閣の教育再生会議の有識者会議メンバーに起用されただけのことがあって、やることが斬新すぎるきらいがあるようだ。

 7月4日公示で、21日投開票される見通しの参議院選挙。今回の選挙よりインターネットを使った選挙運動が解禁されるが、こうしたブラックな噂はネットでの広がりが速そうだ。自民党公認候補として参院選に出馬する渡邉氏の今後の対応に注目が集まる。
(文=本多カツヒロ)



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