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重水素実験:核融合研の計画に小柴さん「反対」の手紙
毎日新聞 2013年03月01日 01時39分
核融合科学研究所(岐阜県土岐市)が計画している重水素実験に対し、02年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さん(86)が反対する見解を記した手紙を、隣接する同県多治見市の古川雅典市長に送付していたことが28日、分かった。「多治見を放射能から守ろう!市民の会」の井上敏夫代表(63)の依頼を受けて送ったという。
◇多治見市長に手紙
手紙には「現在使われている核分裂の発電施設から発生する中性子の10倍も高いエネルギーの中性子が出ることを防ぐ方法が全くない」などと記され、小柴さんは毎日新聞の取材に「現状での実験は時期尚早」と話した。
実験は、重水素を使って1億2000万度の超高温のガス(プラズマ)を作ることが目標。太陽で起きている核融合反応を、炉の中で実現する核融合発電に向けた基礎研究として行う。土岐、多治見、瑞浪の地元3市は今年度中に実験開始に同意する方向だが、反対住民は約2万人の署名を古川市長に提出する準備を進めている。
手紙について古川市長は「ご意見として、うけたまわりました」とコメントした。【小林哲夫】
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