2017年3月5日日曜日

川合玉堂(1873-1957) 重文《行く春》1916大正5年 (国立近代美術館MOMATコレクション展2017-02-28)

川合玉堂(1873-1957)
重文《行く春》1916大正5年
川合玉堂の描く風景画が平明かつ清新であるのは、筆墨と色彩を融合した上に、自然な遠近表現を加味しているからです。
長瀞(埼玉県秩父郡)の光景を舞い散る桜とともに描いたこの作品でも、六曲一双の大画面全体を視野におさめることではじめて大きな空間がたちあらわれる画面を作り上げています。
一方、桜の散る風景はきわめて情緒に富みます。
玉堂は、多くの日本人が自然のなかに見出す情緒や詩情を、近代的な視覚から見ても不自然さのない広がりのなかに、誰もが共感できるかたちに描き表しました。








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