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「日本人はオリンピック以降、不幸になった」山田洋次監督が語る「寅さん」と「東京五輪」
2013.10.5 07:00 (1/6ページ)[2020東京五輪]
(略)
--戦後は
「復興の時代。(昭和39年の)オリンピックまで。このころ、もう一回自分たちの生活を回復しようと思って、日本人は一生懸命頑張った。それまで日本人が築いてきた生活をもう一度取り戻そうと。昭和20年代から30年代にかけて、あの時代が僕は本当に懐かしい。みんな元気で、子供がいっぱいいて。あのころの写真は本当に子供がいっぱい写っているよね。小さいお店がたくさんある。乾物屋さんとか、小間物屋さん、魚屋さん、八百屋さん。あの時代は日本人は元気だったんじゃないかな。労働組合も元気だったし、学生運動も盛んだったし。そういう活気にあふれていた」
--では東京五輪以後は…
「高度成長になって、競争社会になっていく。学歴社会になり、管理社会への道が始まっていくんじゃないかなあ。風景もどんどん味気なくなってきたし」
--番組では「オリンピックが日本をめちゃくちゃにした」と言われてましたね
「めちゃくちゃにしましたよ。この国がどういう国であるべきかというイメージがあのとき作られなかったことに問題がある。だから、モータリゼーションもあるし、日本中に高速道路を走らせ、何千億も金をかけて道をつくり、車に乗って日本中が移動しだす。どんどん線路が消えていく。そのことで幸せになったのか、ということがある」
--7年後にまた東京で五輪が開かれます
「期待していない。オリンピックが終わった後がどんなに悲惨かというのは、ロンドンであり北京であり見えているんじゃないかな。施設のあとが荒涼としてしまう。東京もああなるかと思うとぞっとする。今大切なのは、オリンピックじゃなくて、福島じゃないですかね。この国は安全だって宣言しちゃったけど、本当にそうなのか。絶対そうじゃないと僕は思うな。だって毎日汚染水が見つかって海に流れ込んでいるんでしょ。何の見通しもなくて、どうして100%安全だって言えるのだろうか」
--東京五輪に反対だったのですか
「オリンピックがいいとはあんまり言わないね。だってあれは日本人が言い出したことじゃないでしょ。政治主導で言い出したことでしょ」
(略)
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