日刊ゲンダイ
塩崎厚労相にも浮上 小渕氏に酷似した「公選法違反」の疑い
2014年10月29日
小渕優子前経産相(40)の数え切れない疑惑のひとつが、公選法違反の疑いがある「カレンダー配布」だ。小渕氏のほか、御法川信英財務副大臣(50)の後援会も選挙区内の有権者にカレンダーを配っていたことが発覚したが、同じ疑惑は別の現職大臣にも浮上している。塩崎恭久厚労相(63)である。
公選法199条は選挙区内の有権者に対する有価物の寄付を禁じている。松島みどり法相(58)が辞任に追い込まれた「うちわ」同様、「カレンダー」配布もアウトだ。
塩崎大臣の政治団体「塩崎恭久後援会」の収支報告書を見ると、「カレンダー印刷代」として、10年2月に30万4500円、11年1、12月に計28万7700円を支出。支払先はいずれも地元・松山市の印刷会社だ。11年1、2月は「カレンダーデザイン・写真撮影代」で21万円を計上している。記載通りなら、塩崎大臣は「選挙区内で撮影した写真」を使って、「選挙区内でカレンダーを印刷」した。わざわざ30万円もかけて作ったカレンダーを一体、何に使ったのか。仮に選挙区内で配布したなら「アウト」だろう。
塩崎事務所に質問書を送ったが、4日経っても回答なし。電話の問い合わせにも「担当者から連絡させる」と言うばかり。印刷会社も「答えられない」(総務担当)という。
塩崎大臣の収支報告書には他にもクビをかしげたくなる記載がある。交際費として、松山市内の果物店から毎月、定期的に「品物」を買っていた。資金管理団体「廿一世紀問題懇話会」は10~12年にかけて総額68万円余りを支払っている。「塩崎恭久後援会」は10~11年に「みかん代」として計6万円を計上していた。
小渕氏の政治団体も毎年末に選挙区内の農家から特産の「下仁田ネギ」を大量購入していたことが問題視された。「ネギ」が「みかん」に変わっただけで、同じ構図ではないのか。果物店に塩崎事務所が買っていた果物などを問い合わせると「答えられない」と取り付く島もなかった。
塩崎大臣は12年2月に選挙区内で配った著書が公選法違反に当たるとして急きょ回収したほか、13年2月にも衆院選当選のお礼チラシを地元で配って問題となっている。
問題が発覚するたびに「事務所として法令順守を徹底したい」と釈明しているが、本当は“確信犯”ではないかと疑いたくなる。
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