NHK
特攻70年 城山三郎さん取材メモ
10月24日 5時33分
太平洋戦争末期、旧日本軍が特攻隊を編成し、本格的に体当たり攻撃を始めてから、25日で70年です。
この特攻について、7年前に亡くなった作家の城山三郎さんが記した取材メモが今月見つかりました。
7年前、79歳で亡くなった作家の城山三郎さんは、経済小説や歴史小説など幅広いテーマで日本人の生きざまを描き続け、晩年は特攻に強くこだわり、「指揮官たちの特攻」を発表しました。
この作品の核心ともいえる部分を書き留めた取材メモが、城山さんの晩年の資料を保管している横浜市の神奈川近代文学館で見つかりました。
メモは、出撃前の特攻隊員が料亭の柱などに切りつけた刀傷を目にした時のもので、「どうして死ななくちゃいかんのだ.元気さかんなのに.なぜ.なぜ.との思い」などと記されています。
また、刀傷に触れた時の気持ちを、「痛々しくてもう何も言えない.ただ撫でるだけ.気の毒だったね.可愛そう.ごめんね」とも記し、込み上げる怒りや悲しみを率直に書き留めています。
メモに記されたことばの多くが作品にも生かされていて、城山さんの次女の井上紀子さんは、「このメモが作品の軸になっていると思います。刀傷を残した若者と同じ思いを二度とさせないよう作品を書き上げるという父の決意を感じます」と話していました。
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