ロイター
米当局、遺伝子組み換え小麦自生問題で調査チームを拡大
2013年 06月 4日 18:19
[ワシントン/ソウル 3日 ロイター] - 4月に米オレゴン州の農地で未認可の遺伝子組み換え(GM)小麦の自生が発見された問題で、米国は原因特定の調査チームを拡大したことを明らかにした。
米農務省のエド・カーレット報道官は、ロイターに対し、証拠や情報収集のチームが先週の発足時の9人から15人体制になったと述べた。また「GM小麦が流通していることを示す兆候は見られない」と説明した。
韓国に輸入された米国産小麦と小麦粉の暫定調査では、GM小麦は検出されなかった。最終結果は5日に発表される。韓国の食品・医薬品当局は、米国から到着した分についてはすべてテストを行うとしている。
5月29日に明らかになった未認可GM小麦の発見を受け、アジアと欧州諸国では米国産小麦の買い控えが起きている。
米農務省によると、発見されたのは10年以上前にモンサント(MON.N: 株価, 企業情報, レポート)が試験栽培した品種。発見された地域を越えて自生が見つかった場合、米国の小麦輸出は脅かされる可能性がある。
欧州連合(EU)の保健当局者は、GM小麦の有効な検出方法が編み出されるまでに2週間かかる可能性があると指摘した。モンサントは、EUの共同研究センターに対し、この週末に検出方法を伝えたという。EUは、到着した製品をテストし、GM小麦が検出されれば輸入を拒否するとしている。
カーレット報道官は「引き続きオレゴン州に焦点を絞っていく」と述べた。
未認可のGM小麦は、オレゴン州北東部の農地(面積80エーカー)にある冬作小麦の休耕地で、予想外に除草剤に駆除されず、自生生育していたという。
モンサントは、「ラウンドアップ・レディ」のブランド名で販売され普及している除草剤に対する耐性を持つ春小麦の品種開発を手がけたが、GM小麦に対する世界的な反発を受けて中止した。米国での最後の野外試験栽培は、2005年に行われた。
遺伝子組み換え作物については、大豆や綿などは米国で認可されているが、米国を含め小麦が認可された例はまだない。
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