2013年10月31日木曜日

婚外子、民法改正に異論続出 自民、司法判断軽視(東京新聞) : 「婚外子をどんどん認めていくと、法律婚の割合が減る」

東京新聞
婚外子、民法改正に異論続出 自民、司法判断軽視    
2013年10月31日 朝刊

 結婚していない男女の間に生まれた子(婚外子)と結婚している夫婦の子(嫡出子)の遺産相続を同等にする民法改正案に、自民党内で反対意見が相次いでいる。最高裁は婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法の規定を違憲と判断している。立法府の一員として、法改正の義務を負っているにもかかわらず、自民党保守派議員の司法を軽んずる姿勢が目立っている。 (清水俊介)

 最高裁は九月、親が結婚しているかどうかで遺産相続の取り分が異なる民法の規定を「憲法一四条が保障する法の下の平等に反する」と判断した。

 政府は「立法的な手当ては当然。可能な限り早く対応すべきだ」(菅義偉(すがよしひで)官房長官)として、今国会での民法改正を目指している。

 ところが、自民党の保守派が政府に「待った」をかけた。民法改正は「家族制度を崩壊させる」というのが大きな理由だ。

 三十日の参院政策審議会では、出席者から「婚外子をどんどん認めていくと、法律婚の割合が減る」との懸念が相次いだ。「最高裁の決定は踏み込みすぎだ。民法の規定は国民感情に沿ったものだ」と、司法判断に異を唱える意見さえ飛び出した。

 自民党は改憲草案に「家族の尊重」を明記。党内の保守派は、現行憲法より、党の改憲案の方が正しいとの思いが強い。西田昌司参院議員は会合で「最高裁はわれわれの常識とは違うが、現行憲法を結びつけると今回の決定になる。現行憲法が間違っている」と言い切った。

 保守派の高市早苗政調会長も最高裁決定について「私個人の主張とは相いれない」と疑問を示す。一方で「違憲とされた民法の条文を放置すると、世の中が混乱する」と指摘。改正案の了承手続きを速やかに終えたい考えだが、「もっと議論に時間をかけるべきだ」との声を無視できないでいる。

 公明党は早期の法改正を強く訴えている。石井啓一政調会長は三十日の記者会見で「最高裁決定を重く受け止め、法的措置を取ることが国会本来の在り方だ」と述べた。



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