2015年12月10日木曜日

野坂昭如さん(85歳)死去 / 「何が大事か、足もとをよく見て前に進まなければならない。そして、時に後退する勇気をもつこと。」(野坂昭如) / 『朝日新聞』思い出す本忘れない本 / 在りし日の姿を写真特集で。— 毎日新聞写真部 / 「戦争などあり得ないと思い込んでいるうちに、 気がつけば戦争に巻き込まれている。 戦争とはそんなものだ。」 / 山口百恵と野坂昭如 「おんじょろ節」デュエット / 社会批判の裏に戦争体験と弱者への愛 野坂昭如さん死去:朝日新聞 / 「野坂昭如の『七転び八起き』対テロ策首相の言葉軍部に似て」『毎日新聞』 / 五木寛之さんが寄稿「ノーリターン、合掌」(全文) 




▼これまで掲載した野坂さんの記事
終戦 すべてが死んだ夏 (野坂昭如 『朝日新聞』思い出す本忘れない本 『少年口伝隊一九四五』井上ひさし著)

米国にへつらう関係 今も (野坂昭如 『朝日新聞』思い出す本忘れない本(中)  『抱擁家族』小島信夫著)

戦争で苦しむのは子供たち (野坂昭如 『朝日新聞』思い出す本忘れない本(下) 野坂昭如『小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話』)

「何が大事か、足もとをよく見て前に進まなければならない。そして、時に後退する勇気をもつこと。」(野坂昭如)

「大変だ!さっきの国会で憲法第九条が削除されたそうだ」「何ですって!じゃ、あの戦争放棄をうたった条文がなくなったんですか」「それだけじゃない。自衛隊は軍隊になったそうだ」「おまけに、徴兵令まで可決したっていうじゃないか」…40年以上も前のドラマと思えない『お荷物小荷物』。 ← 林隆三さん出演のTVドラマ   

この番組の最終回に野坂昭如『マリリンモンロー ノーリターン』が流れたとのこと。

▼追悼ツイート





不戦の思い、今もなお 野坂昭如・黒田征太郎両氏で共著
毎日新聞2015年8月5日 東京朝刊

一貫して反戦を訴えてきた作家の野坂昭如さん(84)と、イラストレーターの黒田征太郎さん(76)が戦後70年の節目として、共著で2冊の本を出版した。黒田さんは「71年目になったら終わりかよ、という気持ちがある。僕はずっと戦後だと思っている」と不戦への思いを改めて語った。

2冊は「戦争童話集」(野坂昭如著)に黒田さんの書き下ろしイラスト約120点を添えた「小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話」(世界文化社、1728円)と、「教えてください。野坂さん」(スイッチ・パブリッシング、1296円)。

(略)

●想像力の大切さ

「教えてください。野坂さん」でも戦争についてつづられている。同書は2003年に脳梗塞(こうそく)で倒れてリハビリ中の野坂さんと、黒田さんがやり取りした手紙に黒田さんのイラストを添えて書籍化したもの。黒田さんが送った約30の質問は、年とのつきあい方、男と女の違い、差別、国家、領土、徴兵制など多岐にわたる。

その一つに、「せんそうははじまりそうでしょうか?」という質問がある。野坂さんは2ページ、25行の長文で回答する。

(略)人間は長いものに巻かれやすい。

長いものに巻かれていた方が楽だからだ。

つまり、自分の頭で考えなくなると戦争は近寄ってくる。

自分の頭で考えるためには、想像力を身につけなければならない。

戦争などあり得ないと思い込んでいるうちに、

気がつけば戦争に巻き込まれている。

戦争とはそんなものだ。

戦争ははじまりそうかと問われれば、

いつはじまってもおかしくないと答える

いや、戦争はすでにはじまっていると言ってもいい。(略)

黒田さんは野坂さんの回答が長文だった理由を「永遠のテーマとして昭和20年8月15日がある人だから」と推察する。

(略)





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