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大阪発:府市、ブレーン頼み 顧問・参与80人、高報酬に批判
毎日新聞 2013年09月02日 大阪朝刊
橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事が改革の知恵袋として民間から登用している特別顧問・特別参与。現在計80人いるブレーンの報酬日額の上限は5万円余りで、府の審議会委員の5倍を超す。橋下市長は「破格の値段だ」と報酬の低さを強調するが、議会からは「高すぎる」と批判が出ている。【熊谷豪】
「府の審議会委員と同じ日額上限9600円にすべきだ。異なる位置付けには納得できない」。自民党府議団は8月7日、松井知事との意見交換で、顧問・参与の報酬額を問題視した。報酬は条例・規則に基づき、日額の上限が顧問5万3350円、参与5万2380円で、従事した時間に応じて支払われる。
特別顧問は非常勤職員で、現在20人いる。知事・市長に専門家として助言し、「大阪都構想」や公務員制度改革、脱原発政策などの重要な意思決定に関与してきた。特別参与はより実務的な役割を担い、府市で計60人いる。
報酬は当初から今の額だったわけではない。橋下知事時代の2009年10月、府はそれまで一律2万2000円だった顧問の報酬を、日額最大3万3000円に増やした。さらに、11年秋の府知事・市長ダブル選後、最大5万5000円に大幅アップ。昨年11月、財政再建の一環で3%をカットして現行額となった。また、府は議会の批判を踏まえ、月額44万円の上限を設ける条例を提案。「高額な報酬が維持される」などとして、自民、民主、共産は反対したが、大阪維新の会と公明が賛成して可決した。
東京都では、知事に政策的なアドバイスをする顧問は無報酬で、参与は月額一律33万4000円。顧問1人、参与2人で、人数上も府市の多さが目立つ。
待遇は国にも劣らない。松井知事は、自民党府議から「厚遇批判」を受けた際、特別顧問の堺屋太一元経済企画庁長官を引き合いに、「仕事の中身から見て9600円ではお願いしづらい」と反論した。ただ、堺屋氏が8月に就任した内閣官房参与の場合、報酬は日額一律で2万4300円。一律と上限の違いはあるものの、実際に日額2万4300円を超す報酬を受け取るケースも少なくない。
橋下市長は知事時代、「大阪市長の退職金は首相の8倍だ」と、国を引き合いに高給を問題視した経緯がある。平松邦夫前市長時代に3953万円だった退職金を81%カットした。それだけに、ブレーンへの配慮は際立ち、報酬の面でも人数の面でも、依存度の高さを裏付けている。
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