京都新聞 社説
秘密法修正協議 安易な妥協許されない
自民、公明両党は週内に特定秘密保護法案を衆院通過させようと、日本維新の会やみんなの党との修正協議を急いでいる。
協議の焦点は、秘密指定の期間に「30年以内」の上限を定めるかどうかと、秘密指定の妥当性をチェックする第三者機関設置の是非だ。
与党の示した見直し案は、枝葉の文言の微修正にとどまっており、骨格部分には何ら手を付けていない。
半永久的に秘密にされるとの批判に対し、自公は「原則30年」の表現で、妥協を求めている。
しかし、「原則」というだけでは、例外扱いで政府が伏せて置きたい情報をいつまでも闇の中に隠し通せる。ずっと秘密が指定解除されない制度的欠陥は、温存されたままだ。
また第三者機関の設置についても、付帯決議で「今後の検討」を明記する、としただけだ。具体性はなく、口約束で野党を懐柔しようとしているかのように見える。
法成立後に政府が運用で決めることの多さに、民主党から「肝心な中身はこれから、では有権者に説明ができない」と疑問の声が出ているが、当然だろう。安易な妥協は許されない。
国の情報は国民の財産だ。政府の都合で情報を隠したり、知る権利が制約されたりしないよう、きちんと明文化された法制度を構築するのが先だ。
外部の識者らでつくる委員会を設けても、それだけで透明性や独立性、国政へのチェック機能が担保されたことにはならない。過去の原子力政策をみれば明らかだ。
法案は、国会による政府へのチェック機能を弱め、国会議員の首を自ら締めるようなものだ。特定秘密漏えいが刑事事件になると、裁判所が「特定秘密」の内容にアクセスできず、公正な判断ができなくなる懸念もある。
国家による情報統制への道を開き、国会や司法の機能さえゆがめかねない重要法案は、もっと時間をかけ、慎重に議論するべきだ。衆院特別委員会での論戦は、問題点を掘り下げていない。これから数日で採決に臨むのはあまりに粗っぽく、到底看過できない。
数の上で巨大な与党が修正協議に応じているのは、反対や慎重な声が高まる世論から、強行採決だと批判されるのをかわすための形づくりにしか見えない。
日本維新とみんなの党は、法案の危険な本質に立ち返り、与党との協議の場からいったん降りるべきだ。民主も、態度が煮え切らない。この程度の微修正に応じず、野党は協力して法案成立を阻止してほしい。
[京都新聞 2013年11月18日掲載]
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