2016年9月22日木曜日

黒田日銀の転換 あの約束は何だったか - 毎日新聞 ; 無謀な実験は失敗に終わったということだ。・・・当然、問われるべきは、「2年を念頭に達成」との約束で始めた実験の失敗の責任である。 / 物価上がらず、量的緩和の限界…黒田日銀の誤算(朝日新聞) / 日銀「新たな枠組み」に冷めた見方が多いワケ 一歩踏み込んだ姿勢を見せたが・・・(東洋経済オンライン) ; 現状の金融政策は完全に裏目に出ており、かえって人々を不安にさせている / 黒田総裁はこれまで通りの強気の発言。でも追い込まれた感は否めない。 / 【社説】 中央銀行、途方に暮れるFRBと日銀の金融政策は魔力を失った (WSJ) ; どうしたらいいか分からない、というのが共通のメッセージだ / 日銀は短期決戦から撤退、名称変更のみで事実上テーパリングの見方も / コラム:円安期待なき日銀新スキームの矛盾と限界 / 黒田日銀総裁まさかの「敗北宣言」は、アベノミクス終焉の前兆か / 矛盾する日銀の政策、組織の亀裂浮き彫りに / 日銀は「目覚めた」が、主役を務める局面は終わった / 邦銀株は回避すべし、日銀の新政策は恩恵薄い マイナス金利は日本で効果を発揮しない / 日銀の今回の緩和を名付けてみよう──それは「永久緩和」 / 日銀の政策転換は矛盾を含み、実行も難しい ← 「バズーカ」だの「異次元」だのとハデハデ修飾はなくなったが、反省の色のない、いつものドヤ顔 / 中央銀行が万能ではないということも事実=黒田日銀総裁 / 日銀「現実路線への政策転換」~金融に頼ったアベノミクス運営のターニングポイント:研究員の眼 / 既に日銀は約10兆円の損失を抱えている / 年金、恩恵見えず 日銀緩和策修正 上がらぬ長期金利 / 週刊文春:量から金利へ回帰 リフレ派終焉で岩田副総裁の変節 / 日銀の政策転換は量的緩和からの「静かな撤退」


無謀な実験は失敗に終わったということだ。

 ・・・アベノミクス第一の矢として注目を集めた「量的・質的金融緩和」が始まり約3年半になるが、こうした検証や枠組みの変更が必要になったこと自体、行き詰まりを如実に示している。

 日銀自身は、誤りを認めようとしない。黒田総裁は、政策の限界が枠組みの変更をもたらしたとの見方を、記者会見で強く否定した。

幻の「2年で2%」

(略)

時計の針を2013年4月4日に戻してみよう。

 「2%、2年……」−−。記者会見に臨んだ黒田総裁は、大きく記した「2」が並ぶパネルを自ら手にし、決定したての金融緩和策に自信満々だった。

 従来の日銀との違いとして強調したポイントは主に三つだ。2%の目標達成まで「2年程度」と期限を切って結果を約束したこと。口約束でなく、国債の大量購入という異例の行動を伴わせ、人々に物価上昇を信じ込ませようとしたこと。そして従来のような小出しの追加策を重ねたりしないと言い切ったことだ。

 「2年で2%の物価安定目標を達成するために、現時点で必要な措置は全て決定した」と総裁は胸を張った。同じ時期に日銀入りした岩田規久男副総裁は、2年で2%を達成できない場合、辞任するとまで宣言していた。後に「説明責任を果たすことが先決というのが真意だった」と撤回したが、日銀がお金の量を本気で増やしさえすれば、2%の目標は達成できるというのが、当時の約束だった。

 結果はそうならなかった。

(略)

市場をゆがめた責任

(略)

当然、問われるべきは、「2年を念頭に達成」との約束で始めた実験の失敗の責任である。

 日銀のもとには、将来値下がりの恐れがある国債や投資信託といった資産が450兆円以上も積み上がった。今後も当分の間、増加を続けるだろう。円という通貨の信用にかかわる問題だ。

 日銀による大量購入に依存し、ゆがみきった国債市場を、将来どうやって正常化するかという難題も待ち受ける。物価の上昇率が持続して2%を超えるようになれば、日銀は段階的に国債の購入額を減らしていかねばならない。

 だが、日銀という巨大な買い手が市場から手を引こうとした途端、価格が急落し、長期金利は急上昇しかねない。それを回避しようとすれば、国債購入をいつまでも止められず、バブルや景気の過熱を招く恐れがある。極めて難易度の高い出口戦略を求められよう。

 将来に重大な問題を残した異次元緩和策の責任は、日銀だけにあるのではない。アベノミクスの第一の矢に頼った政府の責任も問われる





日本銀行はマネーの量を操作目標としてきた金融政策から、長短の金利差(イールドカーブ)を操作目標とする枠組み(イールドカーブ・コントロール)に転換した。枠組みの名称は変更したものの、これまでの短期決戦からの撤退であり、事実上のテーパリング(国債買い入れの縮小)との見方も出ている。


















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