東京 北の丸公園 2012-04-20
*フランスの原発作業員のストライキが継続中。
伝えられる労働条件の劣悪さと頻発する原発事故に驚く。
ブログ「フランスねこのNews Watching」の記事
「危険すぎる原発、劣悪すぎる労働条件」事故続発の仏カットゥノム原発で、下請け作業員がスト決行中/テレビ「フランス3」(4月23日)&ロマンディ・ニュース(4月22日)
●事故続発に我慢限界 ― 下請け作業員によるストライキに派遣社員も参加
カットゥノム原発(注)で働く作業員たちによるストライキは4月23日、第2週目に突入した。
関係者は毎朝6時半に同原発周辺の道端に立ち、今回の抗議行動を説明するビラの配布を行っている。
最近カットゥノム原発内で立て続けに起きた事故の後、同原発の維持管理を担当する下請け会社「パリ電力産業会社(SPIE)」の従業員の70%〜90%(日によって変動)が安全性の強化を要求する抗議行動に参加している。
4月19日には、同社で働く派遣社員らも抗議に加わった。
同様の抗議行動はカットゥノム以外の原発にも広がっており、フッセンハイム原発(4月25日に火事が発生)でも実施されている。
抗議に参加している関係者たちが一貫して非難しているのは次の点だ。
業務に必要な技能を持たない従業員が現場に配属され、作業能率に関するノルマが強制されているために、安全管理が犠牲になっている。
作業員たちは又、給与の引き上げと、親会社であるフランス電力公社(フランス最大の電力会社)の社員に認められている、夜間・休日労働への加算、出張中の日当宿泊費を下請け会社の従業員にも認めるよう要求している。
フランス国内最大の組合組織CGTによれば、原発を渡り歩く下請け作業員の給与は最低賃金レベルにある。
原発から原発への移動中は、広さ9平方メートルの部屋に3名の作業員が同宿させられ、年間4万5千キロの距離を移動するのに使用する自家用車のガソリン代も払われていない。
ストライキによるカットゥノム原発の運営への支障は無い。
●相つぐ原発内での事故
カットゥノム原発では3月10日、導水管の仕切り弁が閉まり原発が自動停止する事故が起きた。
フランス電力会社は3月12日、同原発を再稼働したと発表している。
カットゥノム原発で事故による自動停止が起きたのは、今年に入ってからこれが3回目。
●近隣国も安全対策の強化を要求
国際的な専門家らはカットゥノム原発の稼働を継続しても問題ないと述べている。
しかしフランスの原子力安全局が発表したカットゥノム原発の安全強度に関する報告書は(同原発の安全対策の不備を露呈し)、ドイツとルクセンブルクという近隣の2カ国に不安を引き起こした。
同報告書は、福島原発事故が発生した直後に実施されたストレステストの結果を受けたもの。
ドイツ関係州とルクセンブルクの経済・エネルギー大臣、環境大臣、保健大臣の3名は、同原発のコントロール・ルームにおける放射能への耐性が不十分であり、豪雪への対策が想定されていない等、数々の不備をフランス原子力安全局に指摘し、対策の強化を要求した。
フランス原子力安全局はフランス電力公社に対しこれらの対策を指示したが、テロリストによる攻撃や原子炉に飛行機が墜落した場合の対策は考慮されていない。
「このストレステストは安全対策強化への第一歩です。でもまだ更に強化してゆかねばなりません。」
ルクセンブルクのマース・ディ・バルトロメオ保健大臣はエッソンシエル誌にこう語った。
大臣たちは、今年中に関連する専門家およびフランス電力公社への面会を希望している。
カットゥノム原発の廃炉には、まだ2025年まで待たねばならない。
(抜粋、一部編集)
(注)カットゥノム原発。
事業主は、国内最大の電力会社であるフランス電力公社(EDF)。
4基の原子炉を備え、一番古いものは1987年より稼働。
カットゥノムの町はフランス東端の国境に位置し、ドイツから40キロ、ルクセンブルクからは35キロの距離にある。
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