2013年6月12日水曜日

欧州映画界、多様性を守るため映画など文化分野は自由貿易の対象外にするよう訴え。

NHK
欧州映画界 文化分野は自由貿易の対象外に
6月12日 4時41分

EU=ヨーロッパ連合は、アメリカとの間で自由貿易協定の締結を目指した交渉を近く始める方針ですが、フランスを中心とするヨーロッパの映画界の代表らが11日、ヨーロッパの多様性を守るため、映画など文化的な分野を交渉の対象から外すよう訴えました。

EUはアメリカとの間で自由貿易協定の締結を目指しており、今月14日に開く貿易担当の閣僚による会議で、交渉に向けた基本方針を承認し、来月にも交渉が始まる見通しです。

これを前に、フランスのコスタ・ガブラス監督や女優のベレニス・ベジョさんなどヨーロッパで活動する映画関係者などが11日、フランス東部ストラスブールにあるヨーロッパ議会を訪れ、ヨーロッパ委員会のバローゾ委員長らと会談し、映画など文化的な分野を交渉の対象から外すよう訴えました。

この中で映画界の代表らは、映画が自由化されれば、各国政府からの補助金などを受けられなくなり、ハリウッドに代表されるアメリカの巨大な映画産業に圧倒されるなど、ヨーロッパの独自性や多様性が失われるおそれがあるとしています。

文化的な分野を交渉の対象から外すことについては、フランス政府が強く主張し、EUの加盟国内でも意見が分かれています。

これについて、交渉に当たるヨーロッパ委員会は、文化的な分野は守るとしながら、交渉前に例外を認めることはできないとしており、文化的な例外をどこまで認めるか、EUの貿易担当相による会議は難航も予想されます。

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