ブルームバーグ
日本企業の現・預金残高が過去最高に、安倍政権の成長戦略に影響も
6月20日(ブルームバーグ):日本企業が保有する現金・預金残高は今年3月末で過去最高となった。一方で、企業の積極的な海外展開を背景に海外直接投資は伸びを示した。
日本銀行が19日公表した資金循環統計によると、企業(民間非金融法人)が保有する現金・預金残高は今年3月末で前年比5.8%増の約225兆円に達した。規模としては、イタリア経済や米企業が保有する流動性資産を上回る。
JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは、これは日本の経済システムにおける非常に大きな問題だと指摘。企業の手持ち資金が積み上がる状況が変わらなければ、安倍晋三首相が成長戦略を通じて経済を変革していくのは難しいだろうとの見方を示した。
一方で、企業の対外直接投資残高は前年比21.9%増の約55兆円に増加。新興国需要の取り込みや現地生産の推進などを目的とする、企業の積極的な海外進出への意欲が裏付けられた。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 藤岡 徹
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