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大阪都構想:「失敗なら壊滅」大阪維新内部資料 橋下氏の市民評価「権力者に」 党派色を薄めた任意団体発足も
毎日新聞 2013年11月07日 大阪朝刊
大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)が内部資料で、市民から見た橋下氏の人物像が「挑戦者」から「権力者」に変化したと分析し、来秋にも予定される大阪都構想の住民投票で「敗北すれば大阪維新壊滅」と危機感をあらわにしていることが分かった。こうした逆風を念頭に、都構想への支持を得るため、党派色を薄めた任意団体を発足させることも検討している。
内部資料は計12ページ。党内に設置した「都構想推進本部」(本部長・橋下氏)に、本部内の政策チーム名で提出された。住民投票に向けた「現状認識」や「全体戦略」などが記されており、先月24日に実施された第1回本部会議で議論された。
現状認識には、厳しい見方が並んでいる。看板の橋下氏に対する市民の評価は、大阪人が好む「権力への挑戦者」から、大阪人が嫌う「権力者」に変化したと分析した。維新に対する市民の評価も、旧太陽の党との合流や国政政党化などで、「大阪純度」が低下して厳しくなっているとみている。また、勢力の急拡大に伴う不統一感や、堺市長選の敗北による不満感が、党内に生じていると認めている。
こうした厳しい現状を踏まえて設立を検討する任意団体は、仮称を「大阪の未来を創る会」とし、経済人や著名人をメンバーに想定する。「非維新、政治無関心層も巻き込む強力な受け皿団体」と位置付け、「維新色をできるだけ排除」し、「大阪全体で都構想が必要という空気感を醸成する」としている。規模などは不明で、設立時期は「早期努力」という。
また、橋下氏と松井一郎幹事長(大阪府知事)については「権力者から挑戦者への意識的なイメージ変換戦略」の必要性を挙げている。
さらに、市民に都構想への理解を深めてもらうため、市内24区に常駐チームを編成。「任期は原則1期」として出馬した維新市議、府議には「(次の)自己の選挙にもつながる」として、署名集めを推進させるという。
維新関係者は「文書は素案」としながら、「維新は権力への挑戦者なのに、市民には権力側という印象を持たれた。市民に活動が正しく伝わる方法を考えないといけない」と話した。【山下貴史、村上尊一、茶谷亮】
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