2016年2月11日木曜日

村上隆「五百羅漢図」の「玄武」 : 伐那婆斯 賓度羅跋囉惰闍(賓頭盧(びんづる)尊者) 赤鬼 青鬼 蜃 迦諾迦跋釐闍 伐闍羅弗多羅 (『村上隆の五百羅漢図展』及び『日曜美術館』より)

村上隆「五百羅漢図」の「玄武」
玄武は北方をつかさどる神獣。
足の長い亀と蛇が合体した姿をしている。
但し、本作ではこれは直接には描かれていない。中央の霊山が亀、その右側の蜃(しん)が蛇のイメージの代わりになっている。
羅漢たちは合掌して祈るポーズ。


▼左側は第十四尊者・伐那婆斯(ばなばす)。岩窟の中で岩と一体になり、静かに微笑みながら座禅を組んだ。地獄道・餓鬼道・畜生道の三悪道から人々を逃がす力を持つ。
右側は第一尊者・賓度羅跋囉惰闍(びんどら・ばらだーじゃ)。別名は賓頭盧(びんづる)尊者といい、日本では撫で仏「おびんずる様」として親しまれている。異論反論を許さず、ライオンが吼えるかのような説法をしたので獅子吼(ししく)第一と称される。

▼オリジナル霊獣。さまざまな図像ソースがミックスされている。

▼赤鬼、青鬼。狩野一信『五百羅漢図』のうちの第24幅『六道 地獄』の鬼などが参照されている。


▼龍の一種である蜃(しん)。蜃が吐いた気が見せる幻が、蜃気楼である。
頭上に小さな頭を六つ乗せるのは、鎌倉時代の『摩尼宝珠(まにほうじゅ)曼荼羅』という仏画に図像的典拠がある。

▼左側は第三尊者・迦諾迦跋釐闍(かなかばりだじゃ)。博識で議論好き。
右側は第八尊者・伐闍羅弗多羅(ばじゃらぶたら)。釈迦十大弟子のひとり阿難(あーなんだ)がばじゃらぶたらの教えをうけたとされる。

東京 森美術館 村上隆の五百羅漢図展に行ってきた 面白い デカイ 飽きない 惹きつける 写真・SNS自由というのも嬉しい 2016-02-02




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