鎌倉 2017-01-25
*大正4年(1915)
4月
・日本留学生団体、朝鮮女子親睦会、結成。
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・日本人が介入する反袁蜂起、失敗。
この年春、杭州出身の謝持らが中心になって浙江省で蜂起を計画。
本部を上海の薩坡賽路に設け、そこへ予備将校津久居平吉(少佐)・林清勝(大尉)らが加わり、更に猪股久雄(大尉)や民間人の志村光治・金子克己らも参画、財政的支援は満鉄理事犬塚信太郎といわれる。計画は挫折。
組織解散後、王統一らによる旧日本海軍出身者の傭兵計画が非合法に進められる。
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・「新公論」特別号特集「性欲問題(其壱)新貞操論」、大杉栄「処女と貞操と恥耻と」など。
26人を並べた中に、青鞜社員の岩野清・尾島菊、原田皐月・生田花世、賛助員与謝野晶が混る。
花世は「結論は出来ない女なのでございます」と避け、皐月は、「生命の拡張が人類生存の意義で、・・・邪魔だてするものは例え肉体であっても葬り進む」と、従来の論理を出ない。「総てか、然らざれは無」と清は主張。
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・伊藤野枝「輿謝野晶子氏の「鏡心燈語」について」(「青鞜」)。
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・正宗白鳥「入江のほとり」(「太陽」)
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・与謝野晶子「麗女小説集」(富山房)。
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・「新少女」創刊。堺出身の詩人河井酔著が編集長。与謝野晶子「私の生ひ立ち」連載、~12月。
前年4月には「子供の友」(婦人之友社)が創刊。
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・陸軍の軟式飛行船雄飛号、埼玉県所沢の工場で完成。
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・軟式飛行船雄飛号完成。
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・広島県比婆郡実業学校女子部の生徒、教員と争い同盟休校を実施。
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・友愛会大阪支部設立。
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・南海鉄道、汐見橋~橋本間開通。女性駅長が初めて誕生。
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・小林秀雄(13)、東京府立第一中学校入学、その後富永太郎を知る。同期生に石丸重治、木村庄三郎、正岡忠三郎、1期上に蔵原惟人、富永太郎が在学。
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・宮沢賢治(19)、盛岡高等農林学校農学科第2部(現岩手大学農学部)に主席入学。妹トシも日本女子大学校家政学部予科に入学。
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・松井須磨子(29)、横浜・横浜演舞場で「サロメ」を上演。
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・淳官、目白の学習院中等学科に通う。2年後、陸軍中央幼年学校予科に進むことが決まり、初等学科卒業と同時に、陸軍将校2人(歩兵中佐厚東篤太郎、騎兵少佐一戸寛)が、淳官の御附武官として皇子御殿に詰めることになる。
淳官の中等学科時代の学友は11人(芳賀信政、近衛忠麿、小笠原長英、松浦治、富永惣一、毛利敬四郎など)だが、うち何人かは陸軍幼年学校への入学を希望しており、淳宮と11人は、他の同期生と異なる特別クラスをつくり、軍事教育・武術も学ぶ。
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・フランス、金属労連、反戦の立場を公的に表明。少数反戦派労働運動の端緒。
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・インド、ヒンドゥー・マハーサバー(大連盟)創立。
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・メキシコ、オブレゴンはグアナフアト州進出。バヒーオ地方セラヤの町でビリャ軍と激突。5日間に亘るビリャ軍の攻撃、撃退。兵6千失うビリャ軍は北部に向け敗走。
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4月1日
・石川県下の選挙干渉事件のため、県知事熊谷喜一郎が辞職。
6日、政友会中橋徳五郎派ら、選挙無効訴訟を提起。
大浦事件と前後して、激戦地金沢市では選挙干渉が問題となる。
投票翌日、石川県高等警察課長らが拘引、4月1日、熊谷喜一郎知事辞職。後任の太田政弘知事に対して、石川県全部の選挙無効訴訟がおこされる。
石川県の投票用紙は粗悪で、立会人に示せば記載の候補者氏名が容易にわかる、これは買収の効果を確かめる為あるとの告発。証拠調べの結果、この投票用紙は軍用パンの包み紙にするための用紙とわかり、11月には選挙無効確定、12月の再選挙では金沢市からは政友会の中橋が当選、郡部からも政友会戸水寛人が返り咲く。
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4月4日
・ダブリン、シン・フェイン党が独立共和国建設要求。
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4月6日
・イタリア、自国が中立を守る代償としてオーストリアに南チロル、トリエステ、イストラを要求。4.18 オーストリアとの中立交渉決裂。
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4月8日
・英ジョージ5世、兵器工場労働者の飲酒を控えさせ生産減回避運動の先頭に立つ。
バッキンガム宮殿の国王一家を始め王族全員が断酒。
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4月11日
・イギリス軍、バスラをトルコ軍の攻撃から守るがバグダードには到着できず(~13)。
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4月12日
・山口県東見初炭坑に海水が流入、234人が溺死。
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4月12日
・ギリシャ、スミルナ(イズミル)領有を約束しセルビア支援を要請した連合国からの提案(1月)を拒否。
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4月15日
・廓清会、吉原遊郭の「花魁道中」を売淫のデモンストレーションであるとして、警視総監に禁止の請願提出。禁止、実現。
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4月17日
・日華談判、第24回会議で中断。
陸外交総長の姿勢は、「全然考慮ノ余地ナシトテ、無下二本使ノ提言ヲ排斥シ・・・」「頗ル不誠実ノ言語ニヨリ、一言ノ下二本使ノ意見ヲ拒否」。
その後、公使は、「北京天津タイムス」紙により、米公使ラインシュが、米国は「米支条約」及び領土保全・機会均等主義に反する協約には反対する、と中国側に通告したことを知る。
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4月18日
・武蔵野鉄道、池袋~飯能間が開通。
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4月20日
・閣議、21ヶ条要求修正案を可決。元老達の了解を得て、22日、日置公使に打電。
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4月21日
・陸軍、飛行船「雄飛」を完成
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4月21日
・国民議会、国民外交同盟会、対華外交の行き詰まりに対し、政府の督励を決議。
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4月21日
・平塚らいてう「峠」(「時事新報」連載4月1日~)、「作者病気につき本日休載」の断りを出し中断。「峠」は塩原事件を素材とするもの。突然の悪阻と、事件への博の嫉妬のあおりもあり中断。
尚、らいてうは、この頃、山田塾に通う。山田嘉吉が、わかの為に、米社会学者レスター・ウォードの著書を読むことになり、らいてうや野枝もこれを受講。
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4月22日
・~25、ドイツ軍、ベルギーで、第2次イープルの戦い。初の塩素系毒ガス使用。死傷者5千。
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4月23日
・大分県佐賀関町の漁民約400人、久原鉱業の製錬所進出誘致派の有力者宅を襲い、293人が検挙。
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4月23日
・瀬戸内海無線電信局開局。
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4月25日
・オーストラリア・ニュージーランド連合軍(アンザック)、イギリス軍とダーダネルス海峡ガリポリ(ゲリボル)半島上陸作戦開始。~29日。ケマル・パシャ率いるトルコ軍と激戦。連合軍、死者多数。1916年1月19日撤退。
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4月25日
・フランス軍、トルコのアナトリアに上陸。
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4月26日
・日置益駐華公使、対華21ヶ条要求最終修正案を提出。専管居留地の設置などを条件に膠州湾の還付を声明。
5月1日、中国、拒絶。最終対案を提示。
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4月26日
・芸術座、ツルゲーネフ作・楠山正雄脚色「その前夜」上演(帝劇。~4.30)。劇中歌、吉井勇作詞・中山晋平作曲「ゴンドラの唄」流行。
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4月26日
・イギリス・フランス・ロシア・イタリア間でトルコ領分割に関するロンドン秘密協定調印。(イタリア参戦の報償協約)。
イタリア、南チロル・トレンチノ・トリエステ領有(スロヴェニア・クロアチア人居住地、トレンティーノ・トリエステ・イストリア半島・ダルマチアなど)とアフリカの植民地拡張を約束され1ヶ月以内の参戦を決定。
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4月27日
・民間有志発起の対支問題懇談会、東京日比谷松本楼で開催。対華強硬意見を宣言。
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4月27日
・フランス海軍のアドリア海封鎖作戦突破を目的に、オーストリア海軍「U5」、フランス巡洋艦「レオンガンベッタ」をオトラント海峡で撃沈。
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4月29日
・朝鮮獣疫予防令公布。8.1 施行。
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4月30日
・パリ、ユーゴスラブ委員会設立。
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