萬鉄五郎(1885-1927)
《太陽の麦畑》1913大正2年頃
1910年創刊の文芸誌『白樺』を中心に、ファン・ゴッホの作品と人生が広く紹介されると、黒田清輝らが主導する穏やかな画風を抜け出そうとする若い美術家たちは、たちまちゴッホに取りつかれます。
当時は実際の作品を目にする機会もなく、萬を含め、誰もがそう精巧ではないモノクロの複製図版を手掛かりにゴッホを学びました。
しかし、例えばこの作品の太陽の中心部を見ると、ちゃんとファン・ゴッホがやったように、黄色と水色の補色(色環の反対にある2色)を用いてその輝きを表していることがわかります。
重さも厚みもない太陽光線をこってりと盛り上げた絵具で表す感じもなかなかです。
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