埼玉新聞 2013年9月2日(月)
朝鮮人犠牲者を追悼 熊谷の悲劇、後世へ/関東大震災90年
熊谷市は1日、関東大震災後に流言を信じた日本人によって、熊谷などで殺害された朝鮮人犠牲者の追悼式を同市円光のメモリアル彩雲で行った。
毎年、震災が発生した9月1日に在日韓国・朝鮮人の団体が同市の大原墓地でそれぞれ慰霊祭を行っていたが、1995年から両団体などの要請を受け、熊谷市の主催で実施している。富岡清市長をはじめ、在日韓国・朝鮮人、市議や県議、市内各種団体の代表ら計167人が参列した。
追悼の言葉で在日本朝鮮人総連合会埼玉県北部支部委員長の李尚魯(リ・サンロ)さんは、「この教訓を新しい世代に伝えていく。過去の歴史的教訓を心に刻み、日朝の真の友好と親善関係を深めなければならない」と話した。富岡市長も「再び過ちを犯してはならない。世界の恒久平和に向けて努力したい」と語った。
熊谷で大震災直後の9月4日、「朝鮮人が暴動を起こした」などといった流言に惑わされた自警団の住民らが、都内などから徒歩で移送されてきた朝鮮人の一行を襲撃。市民グループや研究者の調べによると、熊谷市内で70~80人の朝鮮人が殺害された。そのほか本庄や神保原(上里町)などでも虐殺事件が発生し、犠牲者は県内全体で240人近くに上るという。
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