2014年10月20日月曜日

山谷大臣 憎悪発言団体元幹部と写真で政権の国際的信頼失墜 - NEWSポストセブン

Infoseek
山谷大臣 憎悪発言団体元幹部と写真で政権の国際的信頼失墜
- NEWSポストセブン(2014年10月20日16時00分)

「女性が輝く社会」を掲げて5人の女性閣僚を起用した安倍改造内閣だが、その目玉大臣たちに相次いで不祥事が持ち上がっている。松島みどり法相が選挙区で似顔絵入りうちわを配り、国会で公職選挙法違反だと追及された。それに加えて都内に自宅を持つ議員には入居が認められていない議員宿舎に「特例」で住んでいた問題も発覚した(10月20日に辞任)。

 そして、山谷えり子・国家公安委員長はヘイトスピーチで知られる団体の元幹部との記念撮影を批判され、高市早苗・総務相は議員会館でホロコーストを否定する反ユダヤ主義のネオナチ団体「国家社会主義日本労働者党」代表と日の丸を背にしたツーショット写真を撮影し、広告塔に使われていたことが英国紙ガーディアンに報じられた。両氏とも「知らなかった」と言い逃れるが、欧米なら即座に辞職もので、それをかばう安倍政権の国際信用は地に堕ちた

 無傷と思われていた「政権のマドンナ」小渕優子・経産相にも重大な政治資金疑惑が浮上した。小渕氏の政治資金報告書によると、後援会女性部の観劇ツアーを開催した際、参加者から集めた収入よりケタ違いに大きい金額が劇場側に支払われており、破格の安さで芝居を見せた有権者への「買収」にあたるのではないかと週刊新潮(10月23日号)が報じた(10月20日に辞任)。

 女性大臣たちは躍進して輝くどころか早くもメッキが剥げてしまった。

 スキャンダル以上に問題なのは、彼女たちが「女性の社会進出」に逆行する言動をとってきたことだろう。首相は2020年までに社会で責任ある立場に立つ女性の割合を30%に高めるという「2030」運動を提唱し、「すべての女性が輝く社会づくり本部」を立ち上げ、今国会に女性活躍推進法案を提出する方針だ。

 ところが、担当の女性活躍相に起用された有村治子氏は、雑誌で〈両親が責任あるポジションに就いて仕事を続け、十数年以上たって家族機能が破綻し、親子関係において修羅場を経験している方々も、実際には少なくありません。(中略)「ひたむきに働いた結果、家庭機能を失う」というのは悲しむべき、とても皮肉なことです〉(季刊誌ロゼッタストーン2006年6月15日号)と、むしろ男女の役割分担を主張してきた人物だ。

 高市氏も「他人に子どもを預けた人の方が一方的に優遇される制度ではだめだ」と共稼ぎ夫婦を優遇する政策に異論を唱えており、山谷氏は第一次安倍政権当時の教育再生会議で「子守歌を聞かせ、母乳で育児」「授乳中はテレビをつけない」という親学の緊急提言をまとめようと奔走した。安倍氏を含め、懐古的保守派にありがちな「女は家を守り、子供を育てるべき」という思想が見て取れる

 トドメを刺すのは安倍首相が改造後の会見で女性活用の象徴としてわざわざ名前を挙げ、政策決定に強い影響力を持つ政調会長に抜擢した稲田朋美氏(前行革相)だ。

 稲田氏はこれまでに子育て支援策を「保育所増設の政策を見ていると、『ほんとに母乳を飲んでいる赤ちゃんを預けてまで働きたいと思っているのかな』と疑問に思う」と働く女性を批判し、小泉政権時代に策定された男女共同参画基本計画(第二次)の数値目標をこう一刀両断していた。

〈女性国家公務員の登用についての数値目標(30%)、国立大学女性教員の数値目標(20%)などの記載がある。これは15年度の男女共同参画推進本部の決定に基づくものらしいが、おいおい気は確かなの? と問いたくなる。

 そもそも本来の男女平等は、性別に関係なく、能力に応じて平等に登用されるということであって、女性の割合を上げるために能力が劣っていても登用するなどというのはクレージー以外の何ものでもない〉(『健全な男女共同参画社会をめざす会』のニュースレター。平成19年9月1日付)

 実は安倍政権の「女性が輝く」政策は、稲田氏が批判してきた小泉政権時代の政策の丸パクリ

 その政策を「女性枠」で起用した当人から「気は確かなの?」「クレージー」と評されているのだから形無しである。

※週刊ポスト2014年10月31日号

0 件のコメント: