2012年10月7日日曜日

尖閣衝突 どこでボタンを掛け違えたのか 日中交渉の舞台裏【前後篇】


尖閣衝突 どこでボタンを掛け違えたのか 
日中交渉の舞台裏【前篇】
2012年10月05日(Fri)  城山英巳 (時事通信北京特派員

「親中派」12人との緊張感に満ちた会談
全日空機飛ばず、飛行ルートを変更
「自ら鈴を外せ」と求めた唐家璇
10年ごとの記念式典、初の中止
期待したのは習近平副主席の登場
統一戦線工作の「敵」と「友」


尖閣衝突 どこでボタンを掛け違えたのか 
日中交渉の舞台裏【後篇】
2012年10月06日(Sat)  城山英巳 (時事通信北京特派員)

官邸に伝達された「対日3条件」

「中国政府は、日本側に尖閣諸島をめぐり(1)上陸させない(2)(建造物を造るなど)開発しない(3)(資源・海洋)調査を行わない――を挙げ、3条件を守るよう求めた。実は、この3条件は、中国外交部幹部から官邸に伝達されている。中国政府が官邸に伝えたメッセージは、石原慎太郎東京都知事が尖閣諸島を購入すれば現状維持は困難になり、日中関係は最悪の状態に陥ると警告していた。

 ある共産党の対日当局者も野田政権の国有化決定前、「国有化してもいい。しかしその際は中国側と十分に話し合ってほしい」と明かした。」

現状維持の話し合いには応じず
突然尖閣問題を切り出した田中角栄
「棚上げ論」という名の「信頼」
「胡主席のメンツが潰された」

中南海の意向や民意を読み違えた外交部

「 そもそも日本政府の10日の国有化決定は、中国国内でも報道されており、中国外交部の対日担当者ならその情報は把握していたはずだ。さらに野田が国有化の方針を変更するとの情報は事前になかった。

 胡錦濤は野田から要請があったとしても、それを承知でなぜ、「立ち話」に応じたのか――。中国側は、あれだけしつこく野田が要請してくるから、「国有化の方針に変更があった」と思い込み、立ち話に応じたらしい。ここにも外交当局間の相手への「誤解」が見える。そしてそれが結局、胡のメンツに関わる重大問題に発展するのだ。」

中国に吹き荒れる「漢奸」の2文字

高村・自民党副総裁がカギに

「 共産党・政府が「野田政権を対手(あいて)とせず」を鮮明とする中、期待しているのは日本の政権交代に伴う対中政策の調整だ。」

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