2012年10月14日日曜日

大間原発の南西に活断層 電源開発は把握せず

中國新聞  '12/10/14
大間原発の南西に活断層 電源開発は把握せず

 建設工事が再開したばかりの電源開発大間原発(青森県)の南西40~50キロの海域に、これまで知られていなかった海底活断層があることが13日、産業技術総合研究所と東海大のチームによる調査で分かった。

 確認された長さは約14キロだが、さらに南北方向に延びるとみられる。チームの粟田泰夫・産総研主任研究員は「下北半島の地震防災を考えると詳しい調査をする必要がある。北への延び方によっては、大間原発に影響する可能性も考えられる」としている。

 電源開発はこの海底活断層を把握しておらず、原子力規制委員会の耐震安全性確認で問題となれば、工事の続行や運転開始に影響することもあり得る。電源開発は「規制委から指示があれば対応したい」としている。

 活断層は下北半島と津軽半島に挟まれた海峡で発見。海底の音波探査などにより、海峡のほぼ中央部で13万~12万年前の地層に変形があることを見つけた。ほかの時代の地層にも動いたあとがあり、活動を繰り返していたとみられる。

 原発の耐震指針は、13万~12万年前以降に活動した断層を活断層としている。活断層は「平館海峡撓曲(たいらだてかいきょうとうきょく)」と名付けられ、長さが約14キロでも地震の規模はマグニチュード7近くになると推定されるという。

 大間原発をめぐっては、原発周辺の陸地で過去の地震による隆起の痕跡があることから、渡辺満久東洋大教授(変動地形学)らが2008年原発北側と西側の海底に未知の活断層があると指摘。産総研チームも「さらに調査する必要がある」としている。

 一方、電源開発や旧原子力安全・保安院は、火山が近くにある影響で地形が緩やかに隆起したためとして、海底活断層の存在を認めていない

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