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英選挙結果を地べたから分析する:やっぱり鍵はナショナリズム
ブレイディみかこ | 在英保育士、ライター
(略)
スコットランドの躍進とスタージョン人気が保守党にとって有利に働いたのは間違いない。保守党はスタージョンや前SNP党首(現英国国会議員)アレックス・サモンドの胸ポケットに労働党ミリバンド党首が従順なペットのように入っている宣伝ポスターを大々的に使っていた。この巨大なポスターが近所のビルボードに貼ってあった時はわたしもびっくりしたものだ。保守党はうちのようなガラの悪い地域に宣伝ポスターなど貼ったこともなかったからだ。「下層民は右翼が多いから」という戦略だったのかもしれない(でも「くたばれトーリー(保守党)」の落書きがしてあったけど)。
早くからSNPへの敵意を剥き出しにして保守党応援キャンペーンを繰り広げていたタブロイドのザ・サン紙は、マイリー・サイラスの「レッキング・ボール」のPVをパロディ化し、スコットランド名物のタータンチェックのビキニを着たスタージョンの合成写真を掲載して「SNPは経済回復をレッキング・ボールで破壊する」と皮肉った。
選挙番組を見ていたら、取材で全国の選挙区を回ったというBBCの記者が、どこでも必ず人々が口にしたのは「スコットランドのナショナリストたちが本当に心配だ」という言葉だったと言っていた。投票日の夜、保守党の勝利が明らかになったとき、ブレア元首相の片腕だったピーター・マンデルソンは「労働党は2つのナショナリズムに挟まれて潰れた」と言った。それは労働党の牙城だったスコットランドでの票をすべて奪ったSNPと、SNPが政権を握るのではないかというイングランドの人々の不安をうまく利用した保守党の2つのナショナリズムである。実際、わたしは今回の選挙での保守党のプロパガンダ戦略を見ていて、ほとんど極右政党のようなえげつなさを感じた。
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