2017年1月4日水曜日

東京新聞:<包容社会 分断を超えて>(上) 対話は力、強きをくじく ; 「無言と中立は、迫害者を助けるだけだ。そして沈黙は苦痛を招く。・・・沈黙ではなく、みなさんも声を上げてほしい」 / (中) 半径数メートルの実感 大切に ; 「日本でも中間層が減り、ワーキングプアが増えています。生活する上でのリスクは、個人が背負うには重くなりすぎている」 / (下) 暴力に苦しむ貧困女性 ; 「不安定な家族から、次の不安定な家族が生まれる。そうなるのは自己責任だという視線を浴び、本人たちも思い込んでいますが、違う。家族はもろくて弱いのが当然。だから社会が支えなければならないんです」


 無言と中立は、迫害者を助けるだけだ。そして沈黙は苦痛を招く。何を信じるのか、自分のよって立つ考えを話すことが大切なのだ。沈黙ではなく、みなさんも声を上げてほしい。

日本は国際的に見て税負担が軽い国です。しかしその分は、教育や医療などの自己負担として跳ね返ってきています。

 日本でも中間層が減り、ワーキングプアが増えています。生活する上でのリスクは、個人が背負うには重くなりすぎている。みんなが払った税金で個人の負担を社会全体で分かち合う連帯の仕組みをつくる必要があるのではないでしょうか。

 日々の生活に余裕がなくなると、私たちは扇動的な言葉に簡単にだまされてしまう。英国の欧州連合(EU)離脱や米大統領選では、政治家が困っている人を熱狂させる言葉を放ちました。日本も同様です。「アベノミクス」で生活がどれだけ豊かになったか。こうしたことが繰り返されれば、人々は民主主義に失望してしまうでしょう。

 不安定な家族から、次の不安定な家族が生まれる。そうなるのは自己責任だという視線を浴び、本人たちも思い込んでいますが、違う。家族はもろくて弱いのが当然。だから社会が支えなければならないんです。 




0 件のコメント: