2014年10月6日月曜日

本当に日本はやばいかもしれない(前篇)――異端的論考5 (小笠原泰 ハフィントンポスト日本版) : 国連総会での演説後の記者会見、「安倍首相が勇ましく世界が大いに注目するアベノミクスと宣う割には、・・・目立つ空席の多さである。」 「まさに、大口をたたく、ふかす政治家である。・・・安倍首相のスピーチは、根性論か精神論を超えて、カラ元気ならぬカラ自信に根差す夢想の域に達するのではないだろうか。」    


小笠原泰 
明治大学国際日本学部教授
本当に日本はやばいかもしれない(前篇)――異端的論考5
投稿日: 2014年10月05日 19時34分 JST 更新: 2014年10月05日 19時34分

先月の9月25日の夕刻(日本時間では26日の早朝)に、ニューヨークで安倍首相が国連総会で勇ましい一般討論演説を英語でぶった後に行った記者会見をNHKの中継でたまたま見る機会があった。会見の内容や前もって決められていると思しき退屈な質問のやり取りはさておき、そこで驚いたのは、記者会見にあつまった記者の数である。安倍首相が勇ましく世界が大いに注目するアベノミクスと宣う割には、後方からとった記者会見場の映像が示すのは、目立つ空席の多さである。ご興味のある読者は、このURL(http://www.youtube.com/watch?v=iH5XkTFe1B4)の映像の開始から0:26あたりをご覧いただきたい。

この映像では前から5列までを映しているが筆者が記憶をしているNHKの映像はもう少し後列まで映していたのではないかと思う。いずれにしても、大学の講義ではないので、記者会見で後ろから席が埋まるとは考えづらいので、会場はかなりの閑古鳥状態であったと推察される。一方、フレーミングと言えなくもない政府(内閣府)が公開している記者会見の動画(http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0925naigai.html)は、アップを多用するので、動画の12:28あたりで後方からのショットがあるが、記者会見場の雰囲気を正確に伝えているとは言えない。流石であると思わず感心いや寒心してしまった。日本に対する関心の喪失は、想像以上かもしれない。この状況での、「日本が、再び、世界の中心で活躍する国になろうとしている。そのことを改めて実感いたしました。」との安倍首相の発言はむなしく響いたことと想像する。

(略)


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