「熱烈!傑作ダンギ 国芳」(日曜美術館2016-09-11メモ)
■歌川国芳
■きん魚づくし ぼんぼん
「ぼんぼん」はお盆の唄。
金魚を擬人化して、子供たちがお盆の唄を合唱しているところ。
手を繋いだりしてごく自然に歩いている。
よく見ると、両生類の蛙の子を魚類が手を引いている。逆進化構造。
あれれ、団扇だと思ったら、よく見ると金魚をすくう網。
蛙が持ってるのはオタマジャクシ。
この絵だけでも、よく見ると色んな仕掛けが隠されていて、会話が弾む。
■影絵あそび
国芳はアイデア満載の影絵をたくさん描き、庶民の間に大流行した影絵ブームに応えた。
■みかけハこハゐがとんだいゝ人だ
顔を作っているのは10人以上の裸の男たち。
目玉は子供の頭。
髷は南洋の人。持ってるのは珊瑚。
首から下も一人の男。
「寄せ絵」「はめ絵」の発展したもの(過剰、過激)。
■朝比奈三郎
上の絵のハッピの「三」は、鎌倉時代の武士、朝比奈三郎の紋。
朝比奈三郎は空想上の国々を巡り、不思議な人々と出会う。
■下積み期間が長かった国芳
国芳30代。
師匠豊国、兄弟子国貞は大関、関脇にランクインしているが、国芳は前頭27枚目。
■水滸伝
庶民の間にも閉塞感が漂っていたこの時代。
幕府の財政は傾き、賄賂が横行。政治に対する不信感の高まり。
異常気象による飢饉。
そうした時代、江戸庶民が手に取ったのが水滸伝。
ならず者たちが不正を働く権力に立ち向かい世直しを迫る痛快物語。
国芳はその気運をとらえ、それまでの浮世絵にはなかった架空のヒーローものに挑んだ。
■通俗水滸伝
■誠忠義士伝
決めポーズの面白さ
■和田合戦 義秀惣門押破
三枚一組のワイド型
朝比奈三郎の登場
一人として同じ顔がない緻密な絵
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