2017年3月26日日曜日
「よし」と言うこともしなければ、ほめることもしないのです。(安田登) (鷲田清一『朝日新聞』2017-03-20折々のことば)
「よし」と言うこともしなければ、ほめることもしないのです。
安田登
能の稽古では、師匠は弟子に「それでよし」とは断じて言わないのだという。
教える人もつねに途上にあり、変化をしているからだ。
なのに「よし」と言うのは、その進化を止めて、いま自分が立っている地点を基準に良し悪しを判定することにほかならない。
学びにおいては「ただまねる」、ひたすら師の緊張感と気迫をまねるばかりだと、能楽師は言つ。「あわいの力」から。
(鷲田清一『朝日新聞』2017-03-20折々のことば)
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