2013年11月5日火曜日

永承2年(1047)~永承4年(1049) ヴァル・エデュヌの戦い ライヌルフス2世従兄弟リカルドゥス1世(リシャール1世)がアヴェルサ伯となる(ライヌルフス2世の遺児を追放)

北の丸公園 2013-11-05
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永承2年(1047)
この年
・ノルウェー王マグヌス1世、没(位1035~1047)。
ハーラル・ハルドラーダ(32)、即位(1015~1066、位1047~1066)。
1066年イングランドのハロルド2世を攻めヨーク近郊スタンフォード・ブリッジの戦いで戦死。
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・デンマーク王マグナス、急死。
スェーデン王スウェイン(スヴェン2世、28?、1019?~1075、位1047~1075、ハーディカヌート従兄弟)、デンマーク王兼任。
ノルウェー王ハードラダとスウェイン王、16年交戦。
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・皇帝ハインリヒ3世、教皇クレメンス2世を伴いカープア訪問。
サレルノ候グアイマリウス5世の圧倒的優位を確認。
パンドゥルフス4世、カープア候に復帰(候グアイマリウス5世からパンドゥルフス4世に返還)。
ドロゴとライヌルフスに征服した土地を封として与える。
ハインリヒ3世、ドゥロゴをアプーリア公(「イタリアの公にして、アプーリアおよびカラブリアのノルマン人の伯」)に任命(在1047~1051)。
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・ビッルンガーのティトマルによるハインリヒ3世暗殺未遂事件。
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・ハインリヒ3世、ヴェルフェン家ヴェルフ3世をケルンテン大公(ザルツブルク周辺(アドリア海の北))に任命(位1047~1055)。
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・エアロング司教、失脚。
フランケン大公領、ヴュルツブルク司教区と併合(1047~1115)。
1115年ハインリヒ5世、ホーエンシュタウフェン家コンラートをフランケン大公に任命
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・教皇クレメンス2世、没(位1046~1047)。
ベネディクトゥス9世(31)、即位(3回目、位1032~1044、1045、1047~1048)。
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・ビザンティン帝国、宮殿内に法科大学・哲学大学を設置。
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1月
・ヴァル・エデュヌ(ヴァル・デ・デュン)の戦い。
カーン近く、フランス王アンリ1世・7代ノルマンディ公爵ウィリアム(仏名ギヨーム、19)連合軍、ガイ伯(ブルグンド公ギィー、ウィリアム公従兄弟)の反乱をヴァル・デ・デュンにて破り、全ノルマンディを支配下に入れる。
ウイリアム、カンの公会議で「神の平和、神の休戦」を宣言
(平和令を破った者は教会の保護を離れ破門。ノルマンディ公が「ノルマンディの治安を守る」ことを宣言)。
伯や候が「立法者」「裁き人」「良き秩序の番人」として教会にとって変わる。
ウイリアム、支配の中心を中部ノルマンディ、カーンに移す
(ノルマンディー周辺:南東はフランス王アンリ1世。南西はアンジュー伯ジョフロワ・マルテル。北はフランドル伯ボードゥアン5世)。
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・教皇クレメンス2世、ローマ教会会議召集。
聖職売買を厳しく糾弾。
「シモニア」の罪を犯した聖職者に対する処罰を規定。
この改革教会会議をもって教皇権は初めて教会改革運動に参入。
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2月
・興福寺の再建始まる。23ヶ国以上に再建を割り当てる。
摂津・近江・丹波・参河・信濃・若狭・越前から「請ふ、特に天恩を蒙り、傍例に困准して、宣旨を下され、神社・仏寺・院宮・王臣家荘薗、不輸応輸を論ぜず、平均に充(あ)て負(お)はせ、興福寺廊四面を造る雑事を勤仕(ごんじ)せん」と一国平均に造寺役を課したいとの申請があり、宣旨で許可された。
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7月18日
・興福寺が上棟。
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11月25日
・東大寺の若狭の雑掌秦安成、東大寺御封代米65石6升8勺進上。若狭守橘某、これを認め木津納所行友へ米を下すことを指示。
秦安成、御封代米65石6升8勺から海路賃2石5斗8升3合3勺・運寺賃12石4斗7升7合5勺の計15石6升8勺を雑賃として差し引くと報告。
海路賃は琵琶湖北岸の木津~南岸の大津の船賃、運寺賃は玉置荘~木津と大津~東大寺の陸路輸送賃、15石余は運送業者に支払われる。
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永承3年(1048)
この年
・スタブロー修道院長ポッポー、没。
ヴェルダンのサン・ヴァンヌ修道院長リヒャルドゥス弟子。
皇帝コンラート2世、ケルン大司教ピルグリムに尊敬され、ロートリンゲンを越えて広く帝国内の諸修道院の改革に影響。
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・フランス王アンリ1世、皇帝ハインリヒ3世をアンジュー伯ジョフロワ・マルテルとの同盟より 引き離しに成功。
ハインリヒ3世、アグネスと離婚。
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・アヴェルサ伯ライヌルフス2世、没(位1045~1048)。
未成年の息子ヘルマンヌス(エルマン)、即位(位1048~1049)。
後見役、伯ウィレルムス、アヴェルサ住民の激しい反対に遭いアヴェルサの町を退居、ライヌルフス2世の従兄弟リカルドゥス1世が後見役に就任。

リカルドゥス1世(リシャール1世):アヴェルサ伯ライヌルフスの甥、2代目アヴェルサ伯アスクレタン(早世)の弟、父はノルマン人首領12人の1人。
アヴェルサ伯ライヌルフス2世を頼るが、リシャールの才気に脅威を感じ追い出される。
後、オートヴィル家の3番目の息子オンフロワに迎えられる。
オンフロワのもとでドゥロゴに戦いを挑み敗れ捕縛。
そんな時、ライヌルフス2世が没し、幼い遺児エルマンの後見人に選ばれ、ドゥロゴは渋々シャールを解放。
やがて、摂政リシャールは幼いエルマンを廃し、自らアヴェルサ伯を名乗るようになる。

・教皇ベネディクトゥス9世(32)、退位 (3回目、位1032~1044、1045、1047~1048)。
教皇ダマシウス2世、即位(ダマスス、位1048、ババリア人)するも、すぐに没。
教皇ベネディクトゥス9世、グロッタ・フェッラータ修道院に引篭もる。
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・ブルガリア、ペチェネグ族、ソフィアを劫略。
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・ブワイフ朝最後の君主アル・マーリク・アル・ラヒーム、即位(位1048~1055)。
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4月17日
・源頼信(81)、没。法名蓮心。
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7月10日
・ 藤原歓子が女御となる。
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8月
・明尊を天台座主とするが、山徒の反対で登山しないまま辞任。源心を天台座主とする。
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11月
・内裏焼亡。
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11月16日
・ 太宰府が宋暦を献上。
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永承4年(1049)
・ヒルデブラント(29)、クリュニー修道院よりローマに帰還(1020?~1085、位1073~1085)。
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・アンジュー伯ジョフロワ・マルテル、メーヌのドムフロンとノルマンディーのアランソンを奪取。
フランス王アンリ1世、ノルマン人とアンジューに侵入、ムリエルヌを占領。
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・ハインリヒ3世、エッツォ家コンラートをバイエルン大公に任命 (大公在位1049~1053)。
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・アヴェルサ伯ヘルマンヌス、廃位(位1048~1049、未成年)。
後見役ライヌルフス2世従兄弟リカルドゥス1世(リシャール1世)即位
(サレルノ候グアイマリウス5世がアヴェルサ伯に叙任)。
ロベール・ギスカール妹フレセンダと結婚。

1057年末カープア候パンドゥルフス5世没後、カープアを支配下に置き、カープア候を僭称。
1063年6月ガエータ占領。
(ヴェルサ伯在位1049~1058。カープア候在位1059~1078。ガエータ公在位1063~1078)
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・第5代クリュニー修道院長聖オディロン(オディーロ、55)、没(位994~1049)。
第6代クリュニー修道院長ユーグ(25)、就任(1024~1109、位1049~1109)。
クリュニー修道院、ユーグの許に最盛期を迎え、フランス、スペイン、北イタリアのクリュニー派僧院800を越える。
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2月
・カープア候パンドゥルフス4世、没(位1026~1038、1047~1049)。
息子パンドゥルフス5世、即位(位1049~1057)。
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・教皇レオ9世(47)、即位( ブルーノ、1002~1054、位1049~1054、アルザス出身、ハインリヒ3世従兄弟)。
ハインリヒ3世が任命。
以降、改革の指導権はローマ教皇の手に移る。
(カンディドゥスを枢機卿に任命(位1049~1098)。
フルベルトゥスをシルバ・カンディダ司教枢機卿に任命(位1050~1061))。
レオ9世、ドイツの「自由修道院(教皇を保護者とする修道院)」運動を積極的に援助。
ヒルサウ修道院再建。
妻帯した司祭のミサの執行禁止。
第1回ローマ公会議、レオ9世、聖職売買者(シモニスト)追放宣言。
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9月30日
・教皇レオ9世、ランスに到着。
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10月
・教皇レオ4世、7代ノルマンディ公爵ウィリアムとフランダース辺境伯ボールドウィン5世娘マチルダとの婚約に不賛成を表明
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10月1日
・聖レミギウスの日。教皇レオ9世、聖レミギウス修道院聖堂の献堂式。
聖レミギウスの遺骨をランス市内一巡後、教会会議を開催する教会の主祭壇に安置させる。
接見のため多数の司教・大修道院長の集会を召集。
フランス国王、出席を拒否、司教20人しか集まらず(イングランドより1、ノルマンディより5)。

2日、ランスの教会会議。
助祭ペトルス(レオ9世の尚書院長、枢機卿)、「聖職を得るのに、金を使ったかどうか申し述べよ」と異例の要求。
少数の大修道院長のみ要求された宣言。
ランス大司教は翌年ローマに出頭して弁明を約束。
ラングル司教は夜中に逃亡、破門。
ヌヴェール司教は教皇レオ9世が司教職継続を承認(両親が司教職のために高額の金を払ったことを告白)。
クータンス司教は無罪(ジョフロワ・ド・モンブレ 。イングランドのウィリアム1世の片腕)。
ナント司教は司教の指輪と杖を奪われ、司祭に降格。 
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12月28日
・興福寺僧徒、大和守としての政治に不満を持ち源頼親邸を襲う。防戦する頼房軍の矢に当たって衆徒側に多くの死者。
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