今朝、JR横浜駅で人身事故があったとのことで、通勤電車は超満員。
いつもは無表情の乗客も、心なしか不機嫌そうに見える。
ほんの2、3日前だったか、ここ数年の自殺者は年間3万人を越え、特に3月は多く、某役所はこれの未然防止の本格的「検討」に入ったとの報道があった。
エッ! 今から「検討?」かとあきれて、まさか人が乗り越えられないほど高い柵をプラットホームに設置すると云うんじゃないだろうな、と思わず突っ込んでしまった。
(このガード柵は偶発事故を防ぐためには絶対に必要ではあるが)
誰かオエライサンが指示をして、渋々何か始めたような印象であった。
この数日、日経新聞三面では、「暮らしの行方2010」と題した記事が連載されている。
生活苦にあえぐ低所得者層の様相を伝え、紙面はまるで朝日新聞かと勘違いさせるほどの調子である。
格差社会・・・
自己責任・・・
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先日、所用で実家に帰った際、昔の本棚を眺めていて、ある詩を見付けた。
それはナント、昭和39年発行、河出書房新社版「世界文学全集 世界近代詩十人集」(伊藤整 編)定価350円というシロモノ。
その中の一つである。
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世の成り行 ハイネ
多く持っているものは、まもなく
その上もっと多く手に入れる。
少ししか持たないものは、
その少しの物も奪われる。
だが、もしお前が何も持っていなかったら、
あゝ、葬ってもらうことだ--
生きる権利は、ルンペンよ
いくらか持っている者だけにあるのだから。
(高橋健二 訳)
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ハイネは若いころ、青年ドイツ派闘士として、シュレジエン紡績女工の叛乱を詩の題材にしたりしている。
この詩はハイネ54歳(1851年)の時の詩集に収められているもの。
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