読売新聞
生活保護不正受給“告発”条例提案…兵庫・小野
兵庫県小野市は、生活保護費を不正受給したりギャンブルで浪費したりしている受給者の情報提供を市民に求める「市福祉給付制度適正化条例案」を市議会に提案する。蓬莱務市長は「生活保護費をギャンブルにつぎ込むのは市民感情では受け入れられない。ある程度の監視は仕方ない」と説明するが、識者からは懸念する声も出ている。
条例案では、能力に応じた勤労や節約を受給者に求めるとともに、不正受給や、生活保護費などをパチンコや競輪、競馬などに使い、その後の生活に支障を生じさせる状況を常習的に引き起こしている受給者を知った時は市に情報提供するよう要請する。情報については警察OBを「適正化推進員」に任命して調査する。
厚生労働省によると、生活保護の受給者は、自家用車を所有したり、保護費を借金返済に充てたりすることが制限されているが、ギャンブルについて明確な規定はない。
厚労省は条例案について「通報窓口を置くことは問題はない」としているが、首都大学東京の岡部卓教授(社会福祉学)は「受給者が疑いの目で見られる恐れがあり、危険だ。監視社会を招く心配もあり、保護を本当に必要としている人を制度から遠ざけてしまいかねない」と話している。
(2013年2月22日 読売新聞)
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