毎日新聞
川内原発:再稼働反対、申し入れ相次ぐ 「私企業のためなぜ避難」「基準地震動を過小評価」 /鹿児島
毎日新聞 2014年07月19日 地方版
原子力規制委員会が九州電力川内原発の再稼働を事実上認める審査書案を示したのを受け17日、県などに再稼働反対を求める動きが相次いだ。
●キリスト教団
日本キリスト教団九州教区は17日、伊藤祐一郎知事宛てに再稼働反対を求める要望書を提出した。同教団は国内最大のプロテスタント教会の集まりで、九州の信徒は約4500人。要望書は「防災計画は未整備。安全神話が生きていることを危惧する」としている。
県原子力安全対策課に、九州教区の梅崎浩二・総会議長(53)=福岡市=は「私企業の施設のためになぜ避難を心配しなければならないのか。倫理的観点を大きな判断要素にして判断すべきではないか」と訴えた。いちき串木野市住吉町の友愛幼稚園長で、串木野教会の藤田房二牧師(72)も「私は子どもの命を預かっている。再稼働を容認しないようお願いする」と求めた。
●原発訴訟団
一方、「原発なくそう!九州川内原発訴訟」弁護団(森雅美団長)は17日、審査書案の提示に抗議する声明を発表し、規制委や伊藤知事らに郵送した。
声明文は「福島第1原発事故の収束のメドは立っておらず、地域経済・社会が崩壊している状況が続いている」とした上で、避難計画など原子力防災の整備が再稼働条件でないことを問題視した。
更に「(耐震設計の基準となる)基準地震動を極めて過小評価しており、火砕流の被害を受けるリスクが十分にあるとする火山学者の指摘を無視している」と規制委の審査を批判。「現状で再稼働を認めることは住民の安全を置き去りに再稼働を目指すことになる」と強く抗議している。【杣谷健太】
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