2010年4月7日水曜日

東京の桜 千鳥が淵のソメイヨシノ散り始め おびただしい花筏浮ぶ 「花はさかりに、 月はくまなきをのみ見るものかは」(吉田兼好)  「あはれ花びらながれ」(三好達治)

千鳥が淵でもいよいよソメイヨシノが散り始め。
おびただしい花筏が水面を漂う。
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花はさかりに、 月はくまなきをのみ見るものかは」という(「徒然草」吉田兼好)。
花の満開、月の満月だけをいいというのは無粋だ、と彼はいう。
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これからは散る桜(ソメイヨシノ)がまた美しい。
それに、八重桜系統やらウコンサクラやら、まだまだこれからである。
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昨日(6日)の日経夕刊「こころの玉手箱」に久間十義さんが、護国寺の桜と三好達治に詩について書いていた。
久間さんは詩の「さわり」だけを紹介していたが、この詩も散る桜がモチーフとなっているので、もう少しご紹介。
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あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆむ
うららかの跫音(あしおと)空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍みどりにうるほひ
廂(ひさし)々に
風鐸のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甍のうへ
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三好達治にはもう一つ有名な桜の詩がある
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朝はゆめむ

ところもしらぬやまざとに ひまもなくさくらのはなのちりいそぐを
いろあはきさくらのはなのひまもなくななめにちるを
あさはゆめむ
さくらのはなのただはらはらとちりいそぐを
はらはらとはなはひそかにいきづきてかぜにみだれてながるるを
やみてまたそのはなのわづかにちるを
さくらのはなのかくもあはれにちるゆめみしあさのゆめ
めにさやか
またみづよりもしめやかにこころにしみてわすれがたかり
わきてこはかやのすそはやひややかにほにふるる
うらぶれしあきのあさなれば――
ゆめそめてわれはかなしむ
ゆゑしらぬとほきひのなげかひのいやとほきはてのなごりを
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