『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』
目次
はじめに
第1章 あ、今日は用事があるんで定時に失礼します。
- ここがヘンだよ、日本人の働き方
日本の職場では残業をするのがあたりまえ
残業は「例外的なもの」のはず
悲しきムダ残業
有給休暇を全部使い切れるのは3人に1人
有給休暇がとれないのは「約束違反」
日本は労働犯罪天国 - 軽く見られるサービス残薬
過労死って、殺人罪じゃないの?
「社会人」というヘンな言葉
「社会人の常識」は思考停止ワード
お客様が神様だから、従業員が奴隷に
「モンスター消費者」がブラック企業を生み出す
レールを外れると生き残れない「再チャレンジ不可能」な日本社会
これは制度の設計ミスだ
日本を支配する「労道」というカルト宗教
そしてオルグが始まる
第2章 いえ、それは僕の仕事じゃないんで。
- 日本のガラパゴス労働を支える「社畜」
「社畜」とは何か?
こうして社畜が生まれた
そして「社畜」だけが残った
社畜の分類学
社畜は6つの仕事観に支えられている
①「やりがいのある仕事につけたら、それで幸せ!」
②「つらくてもいいから、成長したい!」
③「給料をもらっている以上、プロ!」
④「言い訳は、悪!」
⑤「経営者目線を持って仕事をすべき!」
⑥「どれだけがんばったかが大事!」
第3章 はい、将来の夢は毎日ゴロゴロ寝て暮らすことです!
- 社畜が生まれるメカニズム
小学校の段階から社畜教育は始まっている
就活を意識した社畜予備軍としての大学生活
就職活動における洗脳
新人研修における洗脳
職場における洗脳
こうして社畜が完成する
第4章 えー、「従業員目線」で考えますと・・・・・
- 脱社畜のための8ヵ条
①「やりがい」にとらわれるな
②つらくなったらいつでも逃げていい
③「従業員目線」を持ち続けよう
④会社の人間関係を絶対視するな
⑤会社はあくまで「取引先」と考えよ
⑥自分の労働市場価値を客観的に把握しよう
⑦負債は極力背負わない
⑧自分の価値観を大切にしよう
おわりに
(目次おわり)
だいたい、目次だけでこの本の中味は十分理解できると思う。
で、ここでは、「社畜」について・・・以下少しだけ
第2章の「社畜」とは何か?より
社畜=会社と自分を切り離して考えることができない会社員
こうして社畜が生まれたより
このこと(社畜)を考えるためには、終身雇用・年功貸金といった日本的雇用システムについて理解することが重要
日本的雇用システムのキモになる考え方は、会社が社員の一生を保証する代わりに、精一杯会社のために働いてもらうというもの
・・・、会社に一生を保証してもらった見返りに、会社員は会社のために精一杯尽くします。会社の要求に多少の無理があっても、グッとこらえてそれに従います。
結局、日本的雇用システムとは、会社に一生を保証してもらう代わりに、「社畜」になることを受け入れるというシステムでもあった
日本経済がグングン成長していた時代には、「社畜」として会社に尽くし、会社と自分を一体とみなして人生設計をするのにもそれなりに合理性がありました。会社の無理な命令には従わなければならなかったとしても、それでマイホームを買ったり家族を養ったりすることができたということは事実だからです。
たとえ「社畜」たったとしても、それはそれで幸せだったという時代があった
そして「社畜」だけが残った
1990年代に入ると、この終身雇用・年功賃金といった日本的雇用システムの存続があやしくなってきます。
・・・、それまではどんなダメ社員でもクビにすることがなかった会社も、業績の悪化を理由に人員整理を行うように変わりました。また、経済のグローバル化も進み、企業間の競争はどんどん激しくなってきています。こういう状況で、数十年先の安定した経営が保証できるような企業は、もはやどこにもありません。
JALやシャープ、ソニーのような一流だと思われていた企業の業績悪化のニュースに驚いた人もいるかもしれませんが、これが現実です。今はもう、「ここに入りさえすれば一生安泰」と言えるような企業はどこにも存在しなくなりました。
日本の企業には、もう社員を一生雇用し続けることを保証したり、能力のない人にも年齢に応じて高い給料を払ったりするような余裕はなくなってしまいました。終身雇用や年功貸金といった日本的雇用は、日本経済が右肩上がりで成長していたという特殊な時代だから成し得たもので、それを支えられるだけの好業績がなければ到底続けられるものではない
日本的雇用システムが崩壊してしまった以上、もう「社畜」として会社に必死に尽くす意味はありません。会社の無理な命令にも黙って従ってきたのは、会社が社員の一生を保証してくれるという見返りがあったからです。でも今となっては、会社が社員の一生に責任を持つことなんてできませんし、すべきでもありません。会社からこういった見返りが受けられなくなった以上、「社畜」として会社に尽くすような生き方も同時に解消されていくべきです。
しかし、不思議なことに「社畜」として会社に尽くすという価値観だけは、日本的雇用システムが崩壊したあとも残ってしまいました。
別に、会社が社員の一生を保証してくれるというわけでもないのに、会社のために人生を捧げようという態度で働いている人はたくさんいます。
これは、会社にとっては非常に都合がいい話ですが、社員にとっては何のメリットもありません。
・・・。「社畜」になってただ真面目に働いてさえいれば、それで幸せになれるという時代はもう終わったのです。これからの会社員は、会社と自分の人生を切り離し、会社とそれなりに距離をとって働くことが必要です。そのための準備・勉強もしておかなければなりません。
会社を辞めろと言っているのではありませんが、会社と自分を切り離して考えられるようには、誰もがなる必要があります。今こそ「脱社畜」が必要なのです。
(引用おわり)
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