都議選、本当に負けたのは誰なのか (小田嶋隆 日経BP) https://t.co/OVci1MroAk— 黙翁 (@TsukadaSatoshi) 2017年7月7日
「小池百合子五原則」に加えて、「小池百合子氏のメディア対応5原則」
(略)
とはいえ、 得票率の推移を見る限りでは、自民党の負けっぷりは、世間で言われているほどひどい惨敗ではない。
たしかに議席数を見ると、選挙前の57議席から半分以下の23議席に落ち込んでいる。
この数字からは、自民党は、都民に見捨てられたようにさえ見える。
が、得票率は、前回から14ポイント減の22.53%で、半減というほどの減り方はしていない。
にもかかわらず、これほどひどい負け方をした原因は、ひとつには、候補者の割り振りを誤ったことがある。たとえば、稲田防衛大臣が応援に入って不適切発言をした板橋区をはじめ、目黒区などでも、2人の自民党候補が揃って当落のボーダーライン付近に並ぶ共倒れの形で落選している。これらの事例を含めて、自民党の候補は、次点で落選しているケースが多い。
(略)
引き比べて、民進党の負けっぷりには、まったく擁護できるポイントがない。
(略)
はやい話、当選が決まったその日のうちに、党首が自ら辞任することを表明したことに対して、異議を鳴らすなり真意を質すなりする議員が一人も出なかったことからして、今回の55人(追加公認を含む)の都議会議員は、「お人形さん」以上のものではないのだろう。だって、誰がどう考えても、選挙が終わったその日に、党首が辞任を表明するのはおかしい。
(略)
が、もし、二元代表制などの懸念がアタマにあったのなら、はじめから代表に就任しなければよかっただけの話で、この説明だと、選挙を前に小池都知事が記者団を集めて代表に就任する旨を発表してみせたこと自体がまるごと説明不能になる。
仮に党の実権を握っているのが、小池代表であるのなら、自らが代表を降りて、その座を野田氏に譲ることは、二元代表制への批判をかわすための目くらましだということにもなれば、非民主的な「院政」による党支配ということにもなる。
そうではなくて、もともと党の実権が野田数氏にあったとするのであれば、自らの代表就任は選挙用のパフォーマンスに過ぎなかったということになる。
いずれにしても、この間の、小池都知事の、自民党への離党届の提出、政党の立ち上げ、代表への就任と辞任という一連のパフォーマンスは、すべてがうさんくさい。
さらに、手続き的にも、党代表を野田氏に譲るにあたって、公認選挙を経たわけでもなければ、党の幹部会にはかったわけでもない。党内外に説明した形跡もない。選挙選挙でざわつく状況の中で、たった1日の間に、まったくの個人的な決断で、恣意的に、極めて非民主的に権力の移譲がおこなわれている。到底公党の代表を選任する手順とは思えない。
(略)
小池都知事の行動原理について、以前私は
あざとい
いかがわしい
うさんくさい
えげつない
おしつけがましい
という小池百合子五原則を提唱したことがある。
今回、一連の経過を観察した結果として、新たに5つの新傾向を発見したことをお知らせして稿をおさめることにする。
小池百合子氏のメディア対応5原則
質問を:はぐらかす
実績を:ひけらかす
記者を:ふりまわす
原則を:へしまげる
幻想を:ほのめかす
以上です。参考にしてください。
(文・イラスト/小田嶋 隆)
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