「トランプはアメリカを「ベネズエラ化」している 彼に逆らえば、誰であろうと取り巻きたちがあなたを破壊しに来る」(ポール・クルーグマン)
— 石田英敬 (@nulptyx) January 13, 2026
Trump is Venezuelifying the United States https://t.co/0lKbc5hzDt
「トランプはアメリカを「ベネズエラ化」している…
〈全文〉
「トランプはアメリカを「ベネズエラ化」している
彼に逆らえば、誰であろうと取り巻きたちがあなたを破壊しに来る」(ポール・クルーグマン)
連邦検察は、連邦準備制度理事会(FRB)議長ジェローム・パウエルに対する刑事捜査を開始した。これに対する声明で、パウエルは称賛に値する対応を取った。明らかにでっちあげである告発に対し、無実を主張するという形で応じることをあえて避け、問題の核心を突いたのである。
この新たな脅しは、昨年6月の私の証言や、FRBの建物改修工事に関するものではない。議会の監督権限の問題でもない。FRBは証言や公的開示を通じて、改修計画について議会に情報提供を尽くしてきた。これらは口実にすぎない。刑事訴追の脅しは、大統領の意向に従うのではなく、公共の利益に資する最善の判断に基づいて金利を設定したことへの報復なのである。
これは、FRBが引き続き証拠と経済状況に基づいて金利を決定できるのか、それとも金融政策が政治的圧力や脅迫によって左右されるのか、という問題なのだ。
その通りだ。いまや完全に腐敗した司法省の中で、パウエルが何らかの犯罪を犯したと本気で信じている者など誰もいないだろう。彼の「罪」とは、ドナルド・トランプの命令に従わなかったこと、それだけである。これはパウエル個人に対するものにとどまらず、FRB全体に向けられた脅迫なのだ。
FRBや経済への影響については後で述べるが、まずパウエル自身が口にできないことを言っておきたい。これはFRBだけの問題ではない。トランプのアジェンダに従わない者すべてに対する、より広範な攻撃の一部である。この記事の冒頭で、私はパウエルの写真を、先週ICE(移民・関税執行局)によって殺害されたレニー・ニコール・グッドの写真と並べて掲げた。なぜなら、パウエルへの攻撃とグッドの殺害は、同じ物語の一部だからだ。トランプとその取り巻きたちは、異議に対して一切の寛容を持たない。誰であろうと、彼らに立ち向かえば、人生を徹底的に破壊しようとする。顔を撃ち抜くことさえ辞さないのだ。
このような恐ろしい現実を前にすると、FRBの独立性が攻撃されることの経済的帰結について語るのは、ほとんど不謹慎にすら感じられる。しかし、それもまた全体像の一部である。
では、FRBとは何をする機関で、なぜ「準独立的」なのか。昨夏に入門記事を書いたが、要点だけ述べよう。
FRBはアメリカの「中央銀行」であり、端的に言えば、米国の通貨供給を管理している。その結果として、短期金利の水準を決定できる。これは経済運営において極めて強力な手段である。
なぜこの手段を、大統領の直接統制下ではなく、テクノクラートに委ねるのか。それは、利下げがあまりにも簡単で、あまりにも心地よいからだ。財政支出の拡大や減税による景気刺激と異なり、金融緩和には法案作成や議会通過が不要である。ニューヨークの公開市場操作部門に電話を一本入れ、国債を買わせれば市場金利は下がる。そして、低金利はしばらくの間、快感をもたらす。
選挙が近づけば、ホワイトハウスが利下げを求める誘惑は極めて強くなる。しかし、過度に緩い金融政策はインフレを招く。アメリカは1972年以降、その教訓を学んだ。ニクソン再選を助けるために従順なFRBが低金利を維持し、その結果、長年のスタグフレーションを招いたのである。
最近のトルコの例は、さらに強烈な教訓を与えている。権威主義的でトランプに似た大統領レジェップ・タイイップ・エルドアンは、インフレが進行する中でも中央銀行に低金利を強制した。その結果、インフレ率(下図の青い実線)は最終的に80%を超えた。
(図)
大恐慌以前、多くの国は通貨を金に連動させることでインフレ的金融政策を避けていた。しかし金本位制は硬直的すぎた。実際、その「黄金の足かせ」は恐慌を深刻化させる大きな要因となった。
では、金融緩和の誘惑を抑えつつ、危機に対応する柔軟性をどう確保するのか。答えは、中央銀行を政治家ではなくテクノクラートの直接管理下に置くことである。こうした「独立した」中央銀行は、最終的には選挙で選ばれた政治家に対して説明責任を負うが、短期的な政治圧力からは遮断されている。
この仕組みは完璧ではない。テクノクラートも人間であり、誤ることはある。しかし経験が示すのは、金融政策を政治化するよりも、中央銀行の独立性を保つ方がはるかにうまく機能するということだ。とりわけ、欲深く経済を理解しない政治家――つまりドナルド・トランプのような人物が相手の場合には、なおさらである。
昨日、歴代のFRB議長や元高官たちが名を連ねる声明が発表され、パウエルに対する司法省の「武器化」を強く非難した。彼らは次のように述べている。
これは、制度の弱い新興国で見られる金融政策のあり方であり、インフレや経済全体の機能に極めて深刻な悪影響をもたらしてきた。法の支配こそが最大の強みであり、経済的成功の基盤であるアメリカ合衆国において、許されるべきものではない。
できれば彼らには、たった一度でいいからFRB用語を捨て、平易な言葉で語ってほしかった。翻訳すればこういう意味だ。「制度の弱い新興国」とは、たとえばベネズエラのような第三世界の国々のことだ。あるいは、トランプ流に言えば「クソみたいな国々」である。
折しも週末、トランプは自らを「ベネズエラの暫定大統領」だと宣言した。もちろん事実ではない。しかし、彼がアメリカをベネズエラ化しているのは確かである。
ところで、トランプを支持した、あるいは彼が当選した後に迎合しようとしたすべての投資家や実業家は、鏡を見て、自分たちがなぜこの大惨事を可能にしたのかを自問すべきだ。注意を払っていた人々にとって、トランプがいま行っていることは何一つ驚きではなかったのだから。
皮肉なことに、FRBを脅迫しようとするこの試みは、三つの点でトランプに跳ね返る可能性が高い。
第一に、短期的には、たとえ利下げが合理的であっても、脅迫が効いたように見えることを避けるため、FRBは特に利下げに慎重になるだろう。この姿勢は、トランプが新たな議長を指名した後も続く。なぜなら、金利は個人ではなく委員会で決定され、その多くはトランプ任命ではないからだ。
第二に、たとえ政治化された中央銀行であっても、短期金利を永続的に下げることはできない。インフレが進めば、最終的には当初よりも高い金利に引き上げざるを得なくなる。上のトルコの図を見れば明らかだ。エルドアンは当初、短期金利(緑の点線)を押し下げたが、インフレが爆発的に上昇すると、最終的には50%を超える水準まで利上げを余儀なくされた。
第三に、FRBの独立性への攻撃は、短期的であっても、経済にとって重要な長期金利をむしろ押し上げる可能性がある。なぜか。債券投資家は、政治的圧力が最終的により高い短期金利を意味することを理解しているからだ。長期金利は、現在の短期金利よりも将来の期待を反映する。
実際、パウエルへの攻撃が明らかになった後、長期金利は大きくは動かなかったが、わずかに上昇した。
もっとも、たとえトランプがFRB独立性への攻撃が裏目に出ると理解していたとしても、彼はそれでもパウエルを攻撃しただろう。彼は政策成果よりも、自分に逆らった者を罰することに関心があるからだ。パウエルは、トランプの足元にひれ伏すのではなく、自分の職務を果たすという「生意気さ」を見せた。だからこそ、個人的に苦しめられねばならないのだ。
もしスコット・ベッセントやケビン・ハセットのようなトランプ政権高官に少しでも誠実さがあったなら、パウエルへの刑事捜査が明らかになった時点で、集団辞任をちらつかせていただろう。しかし、彼らには誠実さはなく、実際、そうはしなかった。
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