2013年8月24日土曜日

追悼・藤圭子 ジャンルを超えた大名曲「夢は夜ひらく」の知られざる歴史 (文=宇多野 純)

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追悼・藤圭子 ジャンルを超えた大名曲「夢は夜ひらく」の知られざる歴史
2013.08.23

(略)

 もともとこの「夢は夜ひらく」は、1966年に園まり、緑川アコ、藤田功と愛まち子、バーブ佐竹の4者がレコード会社を超えた"競作"というかたちで発売。
これを70年に石坂まさをが"圭子バージョン"で詩を付け直し、不朽の名曲「圭子の夢は夜ひらく」は誕生した。
もっとも有名となった園のバージョンは昔自分をふった男を思い出す"よくいる女"の詩で、いかにもムード歌謡といった趣なのだが、藤圭子バージョンは、暗い人生を送ってきた女の情念が効き過ぎるドスで表現され、ニコリともしないで浪々と歌い上げる様は、聴く者を有無も言わせず暗黒世界へ引きずり込んだ。
その翳しかない歌声と表現力は、いま聴くと"演歌を歌うジャニス・ジョップリン"ともいえる存在感で、椎名林檎のデビュー時における作為的な"新宿の女"的アングラ演出など泣いて土下座するほどの「ホンモノ」感だ

(略)

 ちなみに三上寛は「夢は夜ひらく」を収録したアルバムに『ひらく夢などあるじゃなし』と名付けている。"どう咲きゃいいのさ この私"──藤圭子が歌ったこの歌詞の意味をいま噛みしめると、三上の諦観・開き直りが藤にもあったならと悔やまれてならない
(文=宇多野 純)


追悼 藤圭子

「僕たちは演歌には何の興味もなかったが、藤圭子は本当に好きだった。だから、それが何故なのかを熱く語ったのだと思う。何で彼女の歌はロックのように、高校生の僕たちの心を揺らすのか、それは熱く語るにふさわしいテーマだったのだ。」(渋谷陽一) 

藤圭子の『みだれ髪』

山崎ハコ 「圭子の夢は夜ひらく」

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