2026年4月27日月曜日

日本の武器輸出が「落ちぶれ」にほかならない理由(冷泉彰彦 ニューズウィーク日本版);<世界の民生品市場で完敗した日本の財界は、二次リーグである官需、その中でも武器輸出に頼ろうとしている>


 【日本は世界の民生品市場で完敗した】

まず武器輸出には大きなデメリットがあります。

(1)同盟国、同志国にしか売れないので市場に制約がある

(2)軍需に囲い込まれると、素材、回路、ソフト、製造方法、品質管理などといった、

https://newsweekjapan.jp/articles/-/320368?page=2

民生用でもっと大きな経済的成功の潜在能力のある技術が、機密の黒塗りの世界に入ってしまい、成長ポテンシャルが損なわれる

(3)命がかかっているので、ユーザーは自分でメンテしたがる。なので、売ったらそれでおしまい

(4)競争原理や市場の洗礼を受けにくいので、実は技術的に遅れてしまっていても気づきにくい

(5)軍需で有名になると、そのブランドが反対派や非同盟国にとっては著しくイメージが悪化し、マイナスの経済効果がある

(6)ユーザー側は極めて政治的な官需であるので、往々にしてその国の政争に巻き込まれたり、贈収賄トラブルに巻き込まれる危険がある

この中で特に重要なのは(1)(2)であり、昭和の日本はこのことを理解していたので、民生品に特化した製造業を全方位外交にもアシストしてもらって、世界を制覇することができたわけです。

では、こんなに弊害があるのに、どうして昨今は、財界や多くのメーカーの間で、軍需への期待があるのかというと、次のような理由からです。

「若い世代を中心とした世界の消費者ニーズを理解できなくなり、民生品の競争力が崩壊した」

「ロボットの高度化により、英語のできる理系人材を多数揃えないとデバイスの大量生産はできないが、教育のミスマッチのために人材を用意できない」

「先端産業が巨大化する中で、大規模な資金を集めてリスクを取れる経営がないと、半導体やAIの開発競争に加われない」

「空洞化が国内経済を破壊することを十分に理解せず、ホイホイと海外生産を展開して、気づいたら製造技術や品質管理を丸ごと盗まれた」

つまり、世界の巨大な民生品市場で完敗したので、二次リーグである官需に頼るようになり、その中でも一品一品を手作りする旧技術で何とかなり、比較的単価の高い定価販売ができる武器輸出に頼ろうとしているのです。



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