映画「スラムドッグ$ミリオネア」について、書いたことがあります。
http://mokuou.blogspot.com/2009/04/1_20.html
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逞しく生きるスラムの人々を描くことを否定はしないけど、一人の偶然の成功や幸せを描いて何になろうか、との意味を込めて、
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「しかし、現実には、圧倒的多数の人々は、「幸運」を掴めず、「神」の恩恵なども受けられずに、(表現は失礼だが)、朽ちてゆくのだろう。」
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と、書いた。
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ところが、最近の報道によると、どうやら「続編」が進行中の様子。
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「オスカー映画子役に過酷な現実…「スラムドッグ」の住まい強制撤去」
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/090515/asi0905151536002-n1.htm
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「「行くところがない…」スラム撤去でオスカー子役が路上生活」
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/090514/asi0905142202012-n1.htm
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不法に占有・居住しているのだから、(ムンバイ「発展」の為には)、法的手続きに沿って強制撤去する。ただし人道的配慮から代替地は提供する、と行政当局は計画する。
しかし、よくある話だが、計画する部署、撤去する部署、新しく代替地を設定する部署がばらばらで政策実行した結果、こうなってしまったと、それでも少しは良心的に解釈したい。
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しかし、それにしてもこの映画、安い製作費(人件費、舞台設定関連費など)だったと思うが、米アカデミー賞8部門受賞だから、世界各国で相当売れただろうし、相当稼いだんじゃないかな。
この見事な資本主義(グローバリズム)パラドックスはどうだろうか。
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しかも、彼らは、ムンバイの(金融資本)成長のための犠牲者なんだろうし、問題は重層的。
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タキシード着て授賞式に出席した子供たちが、いまだにスラム生活をしていた。
そして、そのスラムを撤去されて路上生活に陥った。
・・・という現実。
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どうやらラッキーなムンバイの少年は一人で終わったようだ。
これを題材にすれば、もっとシリアスでアクチュアルな続編が作れると思う。
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