2015年3月14日土曜日

赤城大沼ワカサギ出荷自粛 解除再び認めず (東京新聞) : ・・・赤城大沼は安定的に基準値を下回るとは言い切れない。・・・

東京新聞
赤城大沼ワカサギ出荷自粛 解除再び認めず    
2015年3月14日

 東京電力福島第一原発事故の影響で放射性セシウムが検出されている赤城大沼(前橋市)のワカサギについて、水産庁は十三日、今シーズンの氷上穴釣りでは、県が現在出している出荷自粛要請の解除を認めない決定を県に伝えた。同庁と厚生労働省、消費者庁、内閣府が同日、関係省庁会議を開き、赤城大沼の件を諮って決めた。事故から四年を迎えても、地元漁協や釣りファンらには厳しい現実が突き付けられた形だ。 (菅原洋)

 赤城大沼のワカサギをめぐっては、県が昨年三月十四日、一般食品の基準値(一キロ当たり一〇〇ベクレル)を連続して下回ったため、事故後初めて出荷自粛要請を解除し、釣った魚を持ち帰れるようになった。

 しかし、水産庁が「待った」をかけ、同月二十一日から月末のシーズン終了まで、再び出荷自粛要請に戻した異例の経緯がある。

 ただ、昨年九月以降、基準値を上回ったことはなく、三月の検査では同五〇~六〇ベクレル台前後で推移。このため、県の担当者は九日、水産庁を訪れ、今シーズンの出荷自粛解除を認めるように要請していた。水産庁も昨年の経緯を受け、赤城大沼の件を初めて関係省庁会議に諮った。

 水産庁は「これまで解除した水産物は、連続して同五〇ベクレル以下となっているものが多い。赤城大沼は安定的に基準値を下回るとは言い切れない。関係省庁とともにデータを冷静に判断した結果」と説明している。

 県水産係は「水産庁に出向くなど解除に向けて努力を重ねたが、非常に残念だ。基準値は安定的に下回っていると考えており、解除の数値基準を具体的に示してほしい」と求めている。

 赤城大沼漁業協同組合によると、氷上穴釣りには事故前はシーズン中に約二万人が訪れていたが、出荷自粛要請が出ると約四割減少。青木泰孝組合長は、「何のための基準値なのか。到底納得できない。水産庁には解除を認めない理由をきちんと説明してほしい」と憤った。


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