2015年9月24日木曜日

滅私奉公 吉野弘 (詩集『消息』より) : 「この壊滅の毒素の放つエネルギーが/時に/国を興すことがある/と思われている。 おそろしいことだ。」

滅私奉公                  吉野 弘


この壊滅原理が
何時
廃墟となった個に
なだれこむか知れないのだ。

虚無の手で
十二分に なぶられた個が
身ぶるいして立ちあがるのは
この時だ。

この壊滅の毒素の放つエネルギーが
時に
国を興すことがある
と思われている。

おそろしいことだ。


詩集『消息』より

いえいえ、決してこれは「考え過ぎ」ではないんです。杞憂ではないんです。
ほんの一部ですが、ドゾ! ↓



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