2016年6月8日水曜日

コラム:消費低迷に構造問題、非正規の弱い担税力が主因に (ロイター) 


(略)

私も現在の状況で消費再増税を実施すれば、消費は一段と落ち込むリスクが大きいと予想する。ただ、その背景には、大きな構造変化がある。その変化とは、1990年代前半まで個人消費を支えてきた「中間層」の縮小と、それに代わる非正規社員の増大だ。

<正規対非正規、年収比率は3対1>

1990年の正規社員(雇用者)数は3473万人、非正規社員(雇用者)は870万人で全体の20%だった。それが2011年には正規が3135万人まで減少、非正規は1717万人に増加。2016年は正規が3298万人、非正規が1983万人でシェアは37.5%になっている。

国税庁の調査によると、2014年の正規の年間平均給与額は477万円。このうち男性が532万円、女性が359万円。一方、非正規は平均が169万円で、男性が222万円、女性が147万円。非正規の年収は正規の35.4%にとどまっている。

年収の比率が3対1という低額に抑制されている非正規にとって、住宅費や社会保険料、食費などのコストを除くと、貯蓄に回せる原資はかなり限定的か、ゼロに近くなると予想できる。

住宅や自動車などの耐久消費財の販売が、このところずっと低調である背景には、約40%に迫る非正規の存在があると考える。

<非正規の低賃金、背景に企業のグローバル戦略>

(略)

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