2015年3月14日土曜日

公園生活者のテント強制撤去「一部違法」 東京地裁判決(朝日) / 「宮下公園」命名権訴訟、ホームレス男性ら勝訴(読売) / 東京・渋谷区に賠償命令 公園退去強行は「やり過ぎ」 東京地裁(産経) / 公園退去強行「やり過ぎ」 東京・渋谷区に賠償命令(中日) / 宮下公園の命名権売却で損害賠償命じる判決(NHK)     

朝日新聞
公園生活者のテント強制撤去「一部違法」 東京地裁判決
2015年3月14日07時55分

 東京・渋谷駅近くにある渋谷区立宮下公園の改修に伴い、公園で生活していた男性のテントなどを強制撤去したのは違法だとして、男性や支援団体が区に約590万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、東京地裁であった。沢野芳夫裁判長は「撤去前に、男性を無理やり担ぎあげて退去させたのは違法だ」として、男性に11万円を支払うよう区に命じた。強制撤去そのものは「適法」とした。

 同公園をめぐっては、区がスポーツ用品メーカーのナイキジャパンに命名権(ネーミングライツ)を売却。公園の改修のために2010年9月、テントなどを強制撤去する「行政代執行」を実施した。これに先立ち、退去を拒んだ男性を区職員らが担ぎ上げて退去させたが、判決はこの方法が「許される範囲を超えている」とした。

 一方、「同社が公園の改修費用を負担し、その対価として区が命名権を与える」とした契約を区が結んだことについて、判決は「必要な議会の議決がなく、地方自治法に違反する」と指摘した。


読売新聞
「宮下公園」命名権訴訟、ホームレス男性ら勝訴
2015年03月13日 23時38分Tweet

 スポーツ用品大手「ナイキジャパン」が命名権を取得している東京都渋谷区の区立宮下公園の再整備を巡る訴訟で、東京地裁(沢野芳夫裁判長)は13日に判決を言い渡し、「区とナイキの契約は不当な随意契約で違法だ」との判断を示した。

 この訴訟は、公園内のテントで生活していたホームレスの男性らが、強制退去は違法などとして区に計約590万円の損害賠償を求めたもの。判決によると、区は2009年8月に命名権売却の契約を結び、同社の負担で公園を整備するにあたり、10年9月に男性を公園外に移動させ、行政代執行で公園内のテントなどを撤去した。

 判決は、警備員4人が、退去を拒んだ男性を無理やり担ぎ上げた行為を違法と認定。慰謝料など11万円を支払うよう命じた。さらにナイキとの契約について、「議会の議決を経ていない上、競争入札の実施が困難ではなかったのに随意契約を結んでおり、地方自治法に違反する」と判断した。ただ、行政代執行自体の違法性は否定した。

 区は「判決内容を検討し、適切に対応する」とコメントした。

2015年03月13日 23時38分


産経新聞 2015.3.13 17:06
東京・渋谷区に賠償命令 公園退去強行は「やり過ぎ」 東京地裁

 東京都渋谷区が公園の整備計画を進めるための行政代執行でテントなどの撤去を強行したのは違法だとして、反対団体などが約590万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で東京地裁は13日、「路上生活者の男性を無理やり担ぎ上げて退去させたのはやり過ぎだ」として、この男性へ11万円を支払うよう区に命じた。

 判決によると渋谷区は平成21年、年間1700万円の10年契約でスポーツ用品大手ナイキジャパンに同区の宮下公園の命名権を売却。整備費をナイキ側が負担して公園を改修する計画を立てた。しかし反対団体がテントを設置するなどして占拠したため、区は22年9月に行政代執行に踏み切り、テントを撤去。公園は23年4月にリニューアルした。

 沢野芳夫裁判長は判決で、区とナイキジャパンとの契約は「一般競争入札を実施していない上、区議会で議決しておらず、地方自治法違反だ」と指摘。行政代執行自体に違法性はなかったと判断した。


中日新聞
公園退去強行「やり過ぎ」 東京・渋谷区に賠償命令

 東京都渋谷区が公園の整備計画を進めるための行政代執行でテントなどの撤去を強行したのは違法だとして、反対団体などが約590万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で東京地裁は13日、「路上生活者の男性を無理やり担ぎ上げて退去させたのはやり過ぎだ」として、この男性へ11万円を支払うよう区に命じた。

 判決によると渋谷区は、スポーツ用品大手ナイキジャパンに宮下公園の命名権を売却。整備費をナイキ側が負担して公園を改修する計画を立てた。しかし反対団体がテントを設置するなどして占拠したため、2010年9月に行政代執行に踏み切り、テントを撤去。公園は翌年4月にリニューアルした。

(共同)


NHK
宮下公園の命名権売却で損害賠償命じる判決
3月13日 20時35分

東京・渋谷区が区立の宮下公園の命名権を企業に売却したことに反対する市民グループが起こした裁判で、東京地方裁判所は「命名権の契約は区議会の議決を経ておらず違法だ」などと指摘して、11万円の損害賠償の支払いを渋谷区に命じました。

渋谷区が6年前、区立宮下公園の命名権をスポーツ用品会社「ナイキジャパン」に売却して整備計画を進めたことについて、反対する市民グループや公園で暮らしていたホームレスの男性が裁判を起こし、区に賠償を求めていました。

13日の判決で、東京地方裁判所の澤野芳夫裁判長は「命名権の契約は区議会の議決を経ていないうえ、競争入札が難しいケースではないのに随意契約で行われていて違法だ」と指摘しました。

さらに、整備計画を進めるためホームレスの男性を担ぎ上げて公園から退去させた区の職員の対応についても違法性を認め、11万円の支払いを渋谷区に命じました。

公園は当初、企業名を含んだ名称に変わる予定でしたが、企業側が「商業施設ができるような誤解を与えてしまった」と撤回して、現在も企業名は使われていません。





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